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疑似転生記  作者: 和ふー
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シルキーの実力

メイリーは今まで冒険者としての報酬だけでなく、ティーチからの依頼などの報酬も溜め込んでいた。それでも金貨200枚には足りないが、暴風狼と雷虎の討伐に対して、ティーチが特別報酬と雷虎の素材を売った代金などを足すと屋敷を購入してもまだまだ余裕があった。冒険者の出費の多くを占める装備品は殆どただで手に入れているし、その他の出費もほとんどせずに来ているため即金で払うことが出来たのであった。


(まあ今のところ魔法で何とかなってるし、宿代として日々少しずつ減ってくよりはいいかな?)


前世が日本人だったからなのか、記憶を失っているから詳しくはわからないが、貧乏であったりしたためか、宿暮らしは贅沢だと感じてしまうメイリー。そんな事言ったらマイホームを買うのも十分贅沢なのだが、それは理想の暮らしに欠かせないのでご愛嬌と言うことであった。

そして屋敷と同時に付いてきたシルキーたちは、総勢6名いたのでアインス、ツヴァイ、ドライ、フィーア、フンフ、ゼクスと名付け全員に魔力を供給してまずは掃除をして貰うことにした。


「そうじする」

「するの?」

「にわする」

「にかいする」

「いっかいは?」

「いっかいも」


シルキーたちによるとまだメイリーの魔力を吸収しきれて無いので、未だ意志疎通が取れてるのか取れてないのかわからない感じなのだが、吸収が終われば曰く大分ましになるらしいのでそれに期待しつつ、メイリーは留守をシルキーに任せ、家具や食材等を買いに出掛けるのだった。


メイリーの屋敷に近づく影が数個。彼らはこの屋敷の前所有者の孫夫婦が放った刺客たちであった。この屋敷には幽霊の他にも曰く付きであり、それを孫夫婦が知ったのはシルキーたちを地下室に閉じ込めて、屋敷を手放した後であった。しかしそれ以降、屋敷に近付くことも出来なくなった。

そのため何とか屋敷の購入資金を調達し、幽霊屋敷で買手がつかない不良物件を言い値で買ってくれると言う利害の一致より、不動産屋も協力して今回の作戦を実行した。しかし作戦は失敗した。ただ、幽霊は退治されたと言う。それならば屋敷を買う筈だった代金でと言って雇ったのが今回の刺客たちであった。


「はぁ。何で俺たちが餓鬼の家なんかに忍び込まなきゃなんねーんだ。」

「しょうがないだろ。報酬が良かったんだ。」

「おい、餓鬼が出ていったぞ。さっさと忍び込むぞ。」


メイリーが出ていった隙を見計らって庭から侵入を試みる刺客たち。しかしその時、頭に直接何かが喋りかけてくる。


「だれ?」


刺客たちが辺りを見渡しても誰もいない。気のせいかと思うと、


「そうじする?」

「そうじしよう。」

「誰だ。やっぱり誰かっ!うわっ!」


見えない何かに引きずり込まれる感覚が刺客たちを襲う。逃げようにも、何から何処へ逃げれば良いのかわからない彼らは、ただただここに来たことを後悔するのだった。


メイリーが必要な物を買って帰ってくると出ていく前よりもかなり綺麗に掃除されていた。


「凄いな。」

「すごい。」

「にわそうじした」


庭掃除を担当していたツヴァイとドライが得意気にメイリーを見ているのだった。


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