スローペース
期末試験を終え、今日は校内魔法競技大会が行われていた。試験後のリフレッシュも兼ねており、クラス対抗で様々な競技が行われていた。ただ、芽衣は『魔法演舞』本戦に出場する等の関係で出場が制限されており、得点が加算されない応援合戦のみの参加となっていた。
「楽だから別にいいんだけどね。」
「まあ学校側としても芽衣に怪我されると困るし、そうじゃなくても芽衣ばっか目立たれても困るんじゃ無い?」
「どっちでも良いよ。今日はゲームのやり過ぎで眠いし。休憩させて貰う。」
「今日は、じゃなくて今日もだと思うけどね。」
クラス対抗なのでクラスメイトは少し不満げであったが、その分自分たちが活躍するチャンスなので切り替えて頑張っている。この競技大会で活躍することは、来年の選考会に繋がるので、それを目指して皆、一生懸命であった。
「凛は何の競技に出るの?」
「私?私は何だったっけ?確か的当てか玉入れだったと思うよ。まあ私としては魔法競技大会よりも試験結果の方が気になるんだけどね。赤点だと私の夏休みが減るし。」
「やる気無いな。まあ良いけど。」
なんだかんだで、クラスメイトの応援をしつつ楽しく過ごすのであった。
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冒険者となって正式に活動し始めてからも、日々の日課やティーチからの依頼も行っていた。また魔獣増加の原因究明のため、度々奥地にまで足を運んだり、魔獣を狩ったりしている。しかしこれらは冒険者組合を通しての依頼では無いので、必然的にランク上げは緩やかになっていた。
今日も週に1度の魔法講師の日であった。
「えーと、今日は防御魔法の練習を実戦形式でやってみましょうか?」
「そうだな。この頃、父様が雇ってくれた家庭教師の授業も退屈になってきたし、勉強、勉強で体を動かす機会も少ない。ガンルーは偶に帰ってきても、僕に剣を教えてくれる程の時間は無いか剣の修行もこの所やってないし。」
「じゃあそうしましょう。」
と言うことで修練上に向かう。
「そう言えばメイリー。冒険者はランクがあるって聞いたけど、お前のランクは今幾つなんだ?」
「私ですか?えーとこの前、Eランクになりましたね。」
Eランク。冒険者を初めて未だ半年も経っていないので、それなりに順調に進んでいる方ではあるが、テイルからしたら疑問であった。
「Eランクはそんなに高くないだろ。メイリーの実力ならもっと高く評価されるべきではないのか?現にメイリーは高位の冒険者でも倒せない旋風狼を倒しておるだろう?」
「はぁ。まあ私のランクではそういう強めの魔獣討伐の依頼は受けられ無いので、倒して組合に売ったりはしてますが、ランクが上昇することは無いんですよ。それに魔法講師もそうですが、ティーチ様や家からの荷物の輸送依頼も受けていますから、冒険者の仕事に専念出来てないので。」
「そうか。」
自身の師匠が正当な評価を受けていない事に納得がいかない様子のテイル。そんな不満げな表情のテイルに、
「まあでも、このペースならテイル様の学院入学くらいには私もCランクには成れてると思いますよ。そうなったらテイル様と一緒に王都に行くことになるかもしれませんね。」
「そ、そうなのか。それなら…まあ許してやろう。」
よくわからないが許されたメイリーであった。




