表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
疑似転生記  作者: 和ふー
117/150

魔法誕生 前

過去編というか完全説明会があと数話続きます。本筋とはさほど関係ないので興味ない人は読み飛ばしてください。

私が鹿島と出会ったのは高校に入ったばかりの頃だった。ネットで知り合いお互いプログラミングが趣味だったことから意気投合した。同い年で自分よりもパソコンを使いこなせる奴がいることに衝撃を受けたのを今でも覚えてる。

そんな時に父さんが大発見をした。父さんは生物系、特に脳科学の分野で多くの人から称えられる成果を上げる一方で誰からも笑われている悪癖があった。それがオカルト趣味である。特に魔法や超能力はあると豪語しそれを使えるという人物の噂を聞き付けては、本業を放って行ってしまう変わり者だった。そんな父さんだからこそなのかもしれないが、とうとうオカルトが存在する証拠を見つけた。


「彼も彼女も脳の一部分が僅かだが異なるんだ。しかも彼らが超人的な『力』を使ってる時にこの異なる部分を中心に通常とは全然違う脳内ネットワークが形成されてる」

「でも父さん。こんなのは偶然かもしれないだろ?しかも超人的な力とかいっても天気予報の確率が高いとか勘が鋭いとか程度だろ?」


そう。この時見つかった超能力者。今で言う原初の魔法使いたちは大した能力を持たなかった。今ならば『魔力』が少なく使い方も精錬されていないからだと分かるが、当時はただの偶然の産物と称するレベルに過ぎなかった。


「確かにな。だがそれはもっと調べなくては何とも言えん。…潤。お前の知り合いにデータを扱える奴はいるか?出来れば超能力とか魔法に興味がある奴だといいんだが」


こういう研究は大量のデータが必要となるがそれを扱える技術が父さんには無く、VR技術の進化で生物学は少しずつだが立場が悪くなっている中でオカルト趣味に付き合ってくれる知り合いなどいなかったための提案であった。私は渋りながらも鹿島に話を持っていった。鹿島もそういう話は大好物でありすぐに協力しだした。そして鹿島の技術を間近でみたい私もなし崩し的に協力することになった。


そこからは驚きの連続だった。父さんと鹿島。二人の天才が力の限りを尽くして研究したからなのか、どんどんと新しいことが発覚していく。最初は能力者だけにあると思われていた脳の一部、私たちが名付けた『魔臓』は普通の人たちにも存在していたのだ。未発達であったり『魔臓』を動かす脳内ネットワークが上手く繋がっていなかったりとの違いはあるが。

そして高校三年生になる頃には最初、魔法の存在に懐疑的だった私も魔法は存在すると確信するほどのデータが集まった。これも父さんが人生を掛けて収集した膨大なデータをしっかりと精査してまとめられたからだろう。この頃になると三人でスタートした研究もそれなりの協力者が増えてきていたし、研究目的も魔法などのオカルトの存在証明ではなく、私たち『魔臓』が未発達な人間でさえも魔法を使える世の中にするという事に変わっていた。

ただそのためには『魔臓』の正確なデータが必要不可欠であった。しかし規模が大きくなったとは言え趣味の延長線上の研究。資金も豊富とは言えない中『魔臓』持ちに長期間協力してもらうのは無理があった。しかも当時『時間圧縮』が開発されたばかりということもありオカルトに金も時間も掛けてくれる人も少なかった。そんな時に救世主のごとく現れたのが鹿島の恋人だった咲月さんだった。鹿島も妙に勘が鋭いくらいにしか思っていなかったらしいが彼女は『魔臓』持ちだった。そこから私たちの研究は加速していくことになる。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ