表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
疑似転生記  作者: 和ふー
105/150

魔力庫と魔力炉

『箒』無しでの魔法行使。口で言うのは簡単でも実際にやるとなると難しい。芽依であっても十数年間の『箒』での魔法行使という土台があるのだ。ただゲーム世界では『箒』を使わずにしているので感覚さえ掴めれば何とかなるかもしれない。


(まあこの世界に魔力があるという前提の話だけど)


また魔力があることを前提にしても、おそらく芽依の魔力量は雀の涙よりも少ないだろう。これこそ『箒』を使っていた弊害なのだが、この問題を解決するには魔力を増やさなくてはならない。そのための方法が2つ存在する。


(ここから魔力を鍛えるトレーニングを始める方法。ただもしこっちの世界では魔力の伸びが悪かったり殆ど育たない可能性もある。だから今回はもう1つを採用しよう)


それがゲーム世界からの魔法の逆輸入であった。今までゲーム世界の自分を強化するために現実世界で魔法を勉強してきた芽依であったが、今回は魔力を増やすべくゲーム世界の魔法を現実世界で実現するつもりであった。

その候補が『魔力庫』と『魔力炉』である。『魔力庫』は魔力を貯めておき必要な時に取り出す魔法であり、『魔力炉』は魔力を燃料として莫大な量の魔力を生産するという、ある種の永久機関的な魔法なのだが、扱いが難しく下手をすると魔力枯渇と魔力過多を繰り返す地獄のような魔法なため、ゲーム世界で実際に使用している猛者は少ない。ゲーム内のメイリーも魔力が少ない頃お世話になった魔法だが、何度か酷い目にあっていた。


(ただ今の『私』は魔力量が多いから『魔力炉』の発動や制御で魔力枯渇することは無さそうだし、『魔力庫』と併用すればかなり有効な手段になるかも)


やはりゲーム脳な芽依はゲーム内戦力の増強の話題にかなり嬉しそうになるが、現実の芽依はおそらく魔力が乏しく、尚且つ様々な事が異なるゲーム世界の魔法を現実世界で実現するということの難易度を踏まえれば、いくら芽依が才能豊かな少女であっても先が長い話なのである。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


この頃、近接戦闘ばかり行っていたメイリーだが、高難易度の依頼をこなすにはまだまだ不足していることが多いので、今回は魔法メインで戦い、さっさと依頼を終え組合に戻ってきていた。


(やっぱり魔法を使うと早い。けど近接戦闘もこれからは必須だ。あとは高ランク冒険者として過ごすならもっと上位の回復魔法もできた方がいい。依頼をこなせたけどメンバーの何人かは死亡じゃカッコ悪い。…そういえばこの前思い付いた『魔力庫』と『魔力炉』の複合魔法も試したいな)


メイリーが今後の予定を決めつつ組合に入っていく。すると何故かメイリーを注目している冒険者たちが多くいた。王都に来たばかりであればわからなくもないが、今ではメイリーは王都で活動する冒険者たちに認知されている。その容姿や年齢に伴わない実力から日頃注目を浴びるメイリーでも、ここまで見られたのは王都に来た当初以来であった。

メイリーが訝しんでいると、一人の男が近づいてくる。メイリーに注目していた者たちは、同時にその男にも注目をしているようであった。


「おお、貴方が噂の。聖なる息吹を感じます」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ