実録短編小説 強酸の晩餐
フライパンにマヨネーズを出して火にかけ、マヨネーズを乳化させます。
すると、溶けてサラダ油やオリーブ油の代わりに炒め油に使えますので、ストックを切らしたときの代用品になりますのでお勧めですね。
ご存知の通り、マヨネーズは油以外にも酢と卵が入っていて、これで炒めるとちょっと酸味と旨みが食材に移ります。慣れると下味と炒め油を兼任して使えるようになり、重ねておススめしたいですね。
今日の夕食は、昨晩恵方巻きを作るために酢飯を炊くとき、炊飯ジャーに入れたコンブの再利用レシピです。
刻んだコンブをニンジンとコンニャクに加えて炒めます。マヨネーズにコンブの香りが混ざって良い感じです。顆粒ダシをパラパラと加え、調味料を入れていきます。
料理のサシスセソは、砂糖・塩・酢・せうゆ(醤油)・味噌の順ですが、酒はこの前に入れるのがオススメです。砂糖よりちょっとだけ酒の方がアイウエオで早いので覚えやすいですね。
はい、酒を振りまくように入れます。こうすることでふわりと酸っぱい匂いが……ん? あれ? 酒の匂いじゃ……ここで料理酒と酢のボトルを間違えたことに気が付きます。時すでにお寿司……遅しです。なぜ一〇秒早く気が付かないのでしょうか。酸っぱいです。マヨネーズで炒めたことで付いた味に酒と間違えて入れた酢の相乗効果のハーモニーが単純に酸っぱいです。
熱せられた酸っぱさが鼻だけでなく網膜にも纏わりつきます。目が酸っぱいです。ショパショパします。
不意につう、と目尻を伝う涙は、今晩の夕食がカバリング不能なレベルでマズいことが確定した悲しみ、そして眼球の受けた物理的なダメージによるものでした。
皆さんも、楽しいクッキングライフ☆
(酸っぱい煮物を気合で完食しながら)