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第30話 戦場のピエロ

「まだ終わらねえ!」


「なっ、どこから」


タスキはグラディウスの剣が腹部に当たったと同時にリンクをミカエルに切り替えることで、光魔法テレポーテーションによりその攻撃を回避していた。


「氷魔法! 氷爆!」


今度は確かな手応えと同時にグラディウスの鎧に小さいが傷を付けることに成功した。

氷爆はその名の通り氷の爆発であり、その冷気で鎧などの機動性を落とせる。


「確かに私のエクスカリバーは当たっていたはず。君が空へと葬られるのもこの目で確認していたのだが」


「そりゃあ簡単な話だ。ただ避けるだけじゃあんたは騙せない。だからほぼ同時に氷で作ったんだよ。俺の偽物を」


タスキはそうでもしないと騙せないのを察し、氷魔法で咄嗟であるが偽物を作りだし蓄えていた魔力を放たせたのだ。

ただあくまでそれは延命でしかないのもタスキはわかっていた。

グラディウスとタスキの力量差は計り知れず、それどころか経験すらも圧倒的に差がある。

下着同時共鳴(おパンツツインリンク)による消耗もありタスキは勝機なんてものはないと確信していた。


「あんたに勝てる気はしてなくても、もう少し付き合ってもらうぜ。五天の実力をもう少し感じたいからな」


「付き合ってもらう…? 何のことだろうか。もうこの試合は私の勝ちだ」


タスキを中心に水色の魔法陣が現れる。

それにいち早く気付きテレポーテーションでグラディウスの後ろに回り込むが、タスキが姿を現すとタスキを正面に剣を突く前の形で構えるグラディウスの姿があった。


「魔力がダダ漏れなのだよ。エクスカリバー砲」


グラディウスが突き出した剣先から放たれた魔力の速さにタスキは対応できず、更に当たった瞬間の強すぎる衝撃に気を失いテレポーテーションを使うことも出来ずに場外へと叩きつけられた。


「じ…場外! 勝者、『剣聖』グラディウス!」


「タスキ君だったかな。五天以外の戦士で君ほど面白い戦士はいなかったよ。経験を積めばいい戦士になるだろう」


気を失っているタスキを係の者達が運び出す。

ステージなどを土魔法の使い手たちが元に戻し、次の試合の準備を進める。


×××


「目が覚めたのね」


「…次元が違ったわ…五天」


「あんなに強い五天でも危険視する魔王がいるのよ。あんたはもっと強くならなきゃ」


「あ、起きたんですね。タスキ様。ちょうどこれからパラド様の試合なのですがお体の具合の方は…」


「大丈夫ですよ。それにパラドの相手も五天ですし、しっかり見ておかないと」


タスキは起き上がり、ベッドから降りると、支度を済ませパラドの試合を見に行く。

パラドの対戦相手である『狂王』ジャックは特殊な加工が施された二本の剣を扱う戦士であり、この剣というのがとても頑丈な素材を使っており、切れ味は良くないが斬撃と打撃を同時に行うことを目的とした武器である。


「お前、強いんだってな」


「お前ぇ? 調子に乗るんじゃねぇぞぉ…。お前は俺を相手に何秒耐えられるだろうなぁ。楽しみだぜぇ…くっくっくっ」


パラドの前に立つのはタスキの想像していた屈強な筋肉大男とは違い、どちらかと言うともやし男のようなひょろっとした体型の男だった。


「あれがジャック…?」


「そうよね。あんな武器を二本も振り回すって聞かされたら想像するのはもっとごつい人よね。けど、ジャックさんは五天になって『狂王』と呼ばれる前は、戦場のピエロと呼ばれる程トリッキーな動きが得意だったのよ」


「戦場のピエロ…か。確かにピエロってのはよく似合うな。体格が」


「とりあえず手始めはダイヤモンドだな…」


「狂乱…レベル1…」


ジャックの瞳が赤く染まり、遠目ではわからない程度だが、体が少し大きくなったようにタスキは感じた。

パラドほどではないが、魔力を大して感じられなかったジャックから普通に感じられる程度の魔力。


「今の一瞬で体だけじゃなく、魔力にも変化が入った? どんな能力だあれ」


「ジャックさんの狂乱について詳しいことはわかっていないのよ。ただとんでもなく身体能力が上がっている。ということだけがわかるわ」


パラドとの距離を瞬きする暇もなく詰め、愛用である特殊武器を片方振り下ろそうとした時、パラドはジャックから感じるとてつもない殺気に退く。

体を少し掠めるように当たっただけでパラドの体が少し砕ける。


「俺の体は仮にもダイヤだぞ。こんなあっさりと」


「ダイヤだぁ? その程度の硬度で守りきれると思ってんのかぁ? ああ?」


即座にダイヤモンドを体から外し、キャンサーのコアへと変更をする。

ジャックの破壊力相手ではまともな一撃をくらえば、いくらダイヤモンドでも粉々にされかねないのだ。

しかし、コアを変えている一瞬の硬直時間の間にジャックの攻撃をまともに受けてしまうパラド。

キャンサーの防御力により一見ダメージはないようだが、パラドは再びジャックと距離を置く。


「外見的にダメージは受けなかったか。さすがキャンサーの硬さ、と言いたいところだが。内部への衝撃が狂ってやがる。あんなの何回もくらってたら骨やら内臓やらが先にグチャグチャだ」




「まだまだ止まんねぇぜぇ…狂乱レベル2…」

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