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第25話 暴走騎士の終わらぬ戦い

「生きてるかァ? ガラン」


「あぁ。何とかな」


「そりゃ良かった。で? 何があった…やっぱりあの女のあれか?」


「ああ、そうだな。あの狂った表情、今にも逃げ出したくなるような狂気と殺気を含んだ笑み。見間違えるわけがない」


「あいつを殺す方法、なんか思い浮かぶか?」


パラドが珍しく冷静に事を進めようとしている姿にガランは唖然とするが、あのレミリアと戦ったガランはあれと戦うことは避けたいと考えているためパラドに応える。


「あれは人間の手に負えるような生易しい怪物じゃない。あの男には悪いが囮になってもらってこの場を…」


「ふざけるな。…あいつは、タスキは俺が殺す。相手が誰だろうがその邪魔をするなら殺してやる。俺は殺さなきゃ気が済まねぇんだよ…あの変態を!」


「俺はあれに一瞬で殺されかけた。お前だって生きて帰れるとは思えんぞ」


「知るかよ…っ」


パラドはタウロスのコアを握りしめ、ガランを置いてタスキの元へと向かう。


×××


「あなたの弱点…それは」


「なっ」


レミリアはタスキの目の前へと瞬間的に近づき、魔法を構えるとタスキはそれに気付くなり退くが、体勢を崩し膝をつく。


「そのリンク状態はとても負担が大きいのでしょう? 更に身の丈に合わない私の魔力。それを更に支援魔法で上乗せ…ふふふふ。どう考えても避けるために動くのが精一杯、だから反撃をしないのよね? 今のあなたなら一撃で私を気絶させて解決だって出来たと思うわよ」


「何のことだかな…」


動揺を隠せずに視線が泳ぎ始めるタスキ、ミカエル達はそれに気付き何とかしようとは思っても動くことが出来ない。


「|(実際の所、あいつの言う通りだ。下着同時共鳴(おパンツツインリンク)は想像を遥かに超えた消耗をする。更にあの女の理解不明なレベルの魔力が今にも俺を潰しそうで全身が現在進行形で悲鳴あげてるよ。)」


「もう諦めなさい。あなた達はここで死ぬの。…とりあえずあなたは死んでもらうわ、早急に!」


「それは無理な相談だ」


タスキはレミリアの攻撃を受け止め、そのまま氷魔法で反撃を行おうとするとレミリアはタスキの手を振り払い距離を取る。


「攻撃出来ないんじゃ…」


「姫様の支援魔法を解除して、下着同時共鳴(おパンツツインリンク)も解除したんだ。そして、お前だけとの下着共鳴(おパンツリンク)。つまりそういう事だ」


「私との力量差を埋めることをやめ、互角になった、ということですか」


「|(なんて小細工してもやっぱり奴から流れてくる魔力の重みだと思われるもんで今にも体は潰れそうだが、戦うだけなら十分にできる…ここでレミリアを取り戻す)氷魔法!」


「攻撃ができるようになった程度! 魔力の熟練度の差を教えてあげるわ! 氷魔法! 絶界」


レミリアの周りを冷気が物凄い勢いで包み込み、とても分厚く丈夫な氷の壁を作り出す。


「アイシクルスピア!」


タスキはその壁に何度も何度も氷の槍を砕かれては作り直し、ぶつけ続ける。

しかし、タスキの魔法は全く意味をなさず。ただ砕け散るだけだった。


「なんだよあの魔法。硬すぎんだよ」


「タスキ様! やはり私が支援した方が!」


「大丈夫です! 今俺に出来る最大限を尽くします。だから俺を見守っててください!」


タスキは今の自分の体力では支援されることで消耗が激しくなり長続きしない事を自分の体だからこそ、よく理解していた。

支援がなければ厳しい戦いになるが、それ以上にタスキは長期戦を望んでいるのだ。

タスキは相手の魔力は愚か、自分の魔力すらわからない。

今は相手とリンクする事で、本来自分の器にあるべき魔力を超えた分が、レミリアから発せられる魔力だと体ではわかっていても、その大きさがどれほど凄いのかまでは理解出来ていない。

つまり短期戦をしようとすれば、その場での一撃で出せる量、出される量が把握出来ていないのでは分が悪い。


「氷魔法! 氷の刃」


「あら?私と魔力の出し合いをするの? いいわ。つきあってあげる」


タスキが自分の周りから氷の刃をレミリアに向け飛ばし始めると、それを相殺するようにレミリアも連続して氷の刃を放つ。


「|(持久戦だって、こっちの方が不利な可能性はもちろんある。だけど、20%がなんたらとかいうのがレミリアの体の支配度とかなら、奴が疲れれば元に戻るかもしれない。それに…賭ける!)」


「何が狙いか知らないけど、もう飽きてきちゃいましたわ…。重力玉(グラビティボール)


レミリアが作り出した黒い玉にタスキの氷の刃が吸い込まれるようにして、黒い玉にぶつかる。

その氷の刃を吸収し、レミリアの黒い玉が巨大な氷の球体へと変化する。


「これで終わりよ…|(やめて!)…うっ!」


突然レミリアが頭を抱えて、攻撃を中断する。

タスキはその姿を見て何かに気付き声をかける。


「レミリアなのか!」


「金砲!」


背後から近付いてくるその金色に光る球体はタスキを通り過ぎ、レミリアへと直撃をする。

何かの異変により体勢を崩していたレミリアはいとも容易く吹き飛ばされ、落下地点で激しく砂埃を起こす。




「俺は俺より強いやつを認めねぇ。それがたとえ虫だろうが、獣だろうが、人だろうが、魔族だろうが、魔王だろうが、神だろうが、宇宙だろうが、関係ない。俺を越えるやつは俺が片っ端から潰す」


「パラド…お前っ!」

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