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第24話 再起のパンツ狂者

タウロスは少し苦しんでいたが、逃げられないのを確信したのか右拳を光らせレミリアへと反撃に出る。

あまりの瞬間的な反撃にレミリアは反応できずにそれを真正面から受けてしまう。

大きく光ったその中から薄い氷の膜を張り攻撃を受け流すレミリアの姿があった。


「今のは少しびっくりしたかしら。100%ならまだしも20%程度じゃ反応もなかなか難しいのよ。そんな事より反抗期なのは…この腕かしら」


レミリアは左手で右腕をそっと掴み優しい眼差しで見つめたながら、その腕を捻り取る。

血が吹き出ようとする前に凍らせ止血をし、取った腕をその辺に放り投げる。

むき出しになる骨、顔面左部分の赤い血で出来た氷の花。

痛々しいその姿を何とも思わないのか、優しい眼差しのままタウロスを見つめ、今度は両頬に手を当てる。


「ダメじゃない。おもちゃが反撃なんてしちゃ…うふふ。顔が見えなくても魔力でわかるわ。あなたの恐怖の感情が流れ込んでくるよう…うふ、うふふふふ」


「狂ってやがる…。あれは戦う気も殺す気もなく、ただ純粋に遊んでやがる」


その場にいる全員がそのレミリアの狂気に動けなくなってしまっていた。

レミリアの行動すべてが、本来人間ならば備わっているはずの感情による抑制が全く働いていないのだ。

つまりそこにいる者達から見て、今のレミリアは強さだけでなく存在そのものが人間であるのかを疑ってしまうような光景だった。


「レミリアちゃんどうしちゃったの? お願い! もうやめてよ!」


「うるさいわよ…って、醜い天使じゃない。人間なら考えたけど天使ならいいわね。ばいばい」


レミリアは指を鳴らし、透き通って中が見えるが分厚い氷の空間にミカエルを閉じ込める。


「その中はどんどん体温を奪われ、そのうち死ぬわ。天使ごときが私に口出しするからいけないのよ」


「嘘でしょ…え。じゃあ、もしかしてレミリアちゃんのあの姿は…っ。寒っ! 嘘でしょ!?」


ミカエルの顔が青ざめていき、体を丸め震え出す。

それを無視し、タウロスを再びいたぶり始めるレミリア。

タウロスの角を折り、指を1本ずつ切り落とし、ゆっくりとゆっくりと壊していく。


「寒い…寒い…。無理もう…死ぬの? うち…。嫌だよ、誰か…助けて。死にたく…ないよ」


ミカエルが気を失い、倒れそうになると氷の分厚い壁が割られる。

そして、まるでバカにするようにミカエルを見下ろし、変わらぬ声で話しかける。


「おいおい、天使様が助け求めてんじゃねぇよ」


「タス…キ…?」


「タスキ様!?」


「ヒメリア、ミカエルのことは頼んだ」


ヒメリアは自分が治癒してたはずのタスキが気付くまもなくミカエルを救出しており、誰よりも驚いていた。

レミリアはちょうどタウロスで遊び過ぎ動かなくなったのもあり、突然動き出したタスキに気が向いていた。


「待たせたな。ってかっこよく決めたかったんだけど、どういうことこれ。てか誰あの人、俺の知ってるツンデレさんじゃないんだけど」


「お前の連れてたレミリアとかいう女が豹変しやがったんだ」


「おー、パラドは似合わずビビってたっぽいな。確かにあの感じはやばいな。とにかくやばい」


「この魔力…結構面白そうな子が出てきたじゃない。あなたで遊ばせてもらうわ」


レミリアが一歩踏み出した瞬間にはタスキ以外の視界からはレミリアが消え、タスキの目と鼻の先に立っていた。

そして、レミリアがタウロスに触れていた時と同じようにタスキの頬に触れようとすると、タスキの姿は消えレミリアの背後から背中を合わせ話しかける。


「どうした? 何触ろうとしてんだ」


「…っ!?」


レミリアはあまりの驚きにかなりと離れた所まで退き、体勢を取り直そうとするがタスキはその隣に立っていた。


「どうして私についてこれるの!?」


「え? そりゃ簡単だろ。かなりきついけど、これ」


「それは…この体のパンツ? それが何だって」


「お前とリンクしてる。正確にはヒメリアともリンクして支援魔法で強化もしてるから実際はお前より早く動けるぞ」


そのタスキの常識外れな強さに初めてレミリアが表情を歪ませた。

だが、暴走したレミリアは賢いが故に動けなくなる。

逃げる事も叶わず、自分より強いのでは戦ったとこで勝利できる可能性が存在していない事を悟ったからだ。


「たとえ30%未満とはいえ私の力に順応するなんて…あなたは化け物?」


「いや。あんたに化け物って言われちゃおしまいだよ。そんな事より…レミリアを返せ」


「返せと言われて返すと思っているの? 氷魔法…アイステール」


レミリアはタスキの提案を受け入れず反撃に出る。

氷で作られた鞭をひたすらに振るが、それを全て避けるタスキ。

だが、レミリアはなにかに気付き高らかと笑い出す。


「うふふふ…うふふふふふふ! 気付いたわよ…あなたの弱点に」


「弱点…ふぅ、何を言い出すかと思えばハッタリかよ」




「ハッタリ…? そうかしらねぇ、すぐにわかるわ」

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