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第19話 激大魔力の乱入者

「これで、終わり…」


金色の何かを使おうと立ち上がったパラドが突然気を失い倒れる。

その背後にはガブリエルが立っていた。


「それはダメだよ、パラド」


「何しやがんだ。これを使わねぇと」


「使わなくても勝てるよ。いつからそんな硬い頭になったの? パラドはここに来た時はまだ強くなる為に色々考えてた。それには使用制限がある。こんな奴に使ってたらすぐ限界だよ。パラド…初心に戻りなさい」


パラドは自分の腰辺りにある小さなポーチに手を当てる。

その中から何かを取り出すと、少し気にくわなそうな顔をしてからタスキの方へと視線を移す。


「まだ戦えんだろうなぁ! パンツ廃人!」


「当たり前だろ。こんなにお互いボロボロだけどな…まだ始まったばっかだ」


「さっさと立て! すぐに始めんぞ!」


タスキはパラドの合図に合わせ下着共鳴(おパンツリンク)をヒメリアに切り替え、ヒメリアの支援魔法と自分の発動する支援魔法で身体能力を限界まで引き上げる。

その状態でCode:76へと突っ込むが今までと同じように弾かれる。

しかし、それまでと違うのはしっかりと受け身を取りCode:76からの攻撃によるダメージは最小限に抑える。

そして、先程までと変わらずパラドとの間合いを詰めパラドを壁へ押し込もうと攻撃をするがビクリとも動かないパラドにCode:76が戸惑う。


「なん…だ?」


「お前はNPCか何かか? 同じ動きばかり、予想出来んだよカス」


銀色に体が輝くパラドの姿に、Code:76だけでなくミカエルやヒメリア、タスキも驚く。

更に体が普通の色に戻るやいなや、Code:76を強く殴ると殴ったパラドも今まで見たことない様な速度で壁に突っ込んでいく。


「なんだなんだ。これはなんだ」


「ヘビーメタル、バネだ。俺の能力は物体を体に馴染ませ、その物体と同じ性質にする。ヘビーメタルを使う事で俺は吹き飛ばされないだけの重さと、ダメージをなくすだけの硬さを得て、更にバネで攻撃時の反発を上げ威力を高めた。そして吹き飛んで壁に辿り着く前にヘビーメタル。それで俺へのダメージは0だ」


「お前…意外と頭使った戦い方も出来んだな」


「舐めてんのか。殺すぞ」


「…それは出来るなら後日で頼む。それより今は可能性が見えてきたんだ。先にあいつを」


「可能性…? 人間は本当に頭の悪い生き物だ。そこの脳筋が頭を使って動く事で俺に攻撃が成功しただけ、ダメージにはなっていない。お前らに可能性があるとすれば、そこのカスが足掻くことじゃない。お前の潜在能力が目覚めれば可能性があるだろう。あくまで可能性だがな」


崩れ落ちる瓦礫の中から姿を表すCode:76は砂埃で汚れはしているものの傷という傷は見当たらず。

タスキたちがどんなに目を凝らしてもかすり傷一つ存在しないのだ。


「今ので本当にダメージ0かよ…嘘だろ」


狼狽(うろた)えてんじゃねぇ! 今のが俺の全てじゃねぇ。あいつの言うことが正しいかは俺らの手の内出しきってからだろ!」


「お前…本当に意外な一面多いな。そういう真っ直ぐした事も言えんだな。下着共鳴(おパンツリンク)…レミリア」


タスキは下着共鳴(おパンツリンク)をレミリアに切り替え、Code:76に無数の氷の弾を放ち動きを制限する。

タスキの使える範囲の魔法ではいくら当てようが決定打になる可能性がないのがわかった上での、これは願掛けだ。


「そのまましっかり動き封じてろよ、パンツ廃人」


パラドは自身の体を徐々に縮めていき、力を蓄えていく。

バネと一体化する事でその性質を活かし攻撃を仕掛ける算段だ。

しかし、パラドが突撃する直後にタスキが急に体勢を崩し氷の弾を外す事でCode:76はパラドの急接近に気付き、その突進を躱す。

タスキは突然下着共鳴(おパンツリンク)も解除され、その場で膝をついている。


「何してんだ、腐れパンツ廃人!」


「なんだ、今の。レミリアから変な感じが流れて…うえっ」


顔色が少し悪くなり、立つことすら精一杯になってしまうタスキ。

パラドはそれを見かねて自分一人でどうにか事を済ませようとする。


「何があったか知らねぇが役立たずはそこで座ってろ」


「はあ…はあ…。ダメだ、こんな状態じゃあれ(・・)も試せねぇ…」


「どんな手を隠してるか知らねぇが、使えねぇんじゃ意味がねぇ。お前みたいなのに負けたなんて本当に認めたくねぇな」


パラドがCode:76へと向き合い、走り出そうとしたその時、城全体が大きく揺れ始めた。

地震や大きな生物の移動などではなく、それは大きすぎる魔力により空気が激しく揺れているのだ。


「なんだ、この魔力は」


「ああ? なんの事だ」


パラドには体内に魔力が存在しないため、どんなに大きな魔力が発生しても感知はできない。

パラドからすれば本当にただ建物が揺れているだけなのだ。

地上へと繋がる階段、タスキ達が来た時に壊された扉の方から現れた人影にヒメリアは驚きの声をあげた。




「なんだァ? ロイド族の魔力がすっから来てみりゃゴミか。俺はお前みたいなのには用がねぇ。ただここまで来たんだ。色々聞かせてもらうだけするかァ? 答えてもらうぜ」


「…あなた…は」

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