アルフェリア山脈
こうなることは俺が動いたときからわかっていた。
例えどんな理由があっても命を奪うことは許されることではない。
そんなことわかっていたのに
「くっそ痛ぇ・・・ん?あ?喋れる?」
まぎれもない自分の声。
「確かに死んだはず。てことはここは死後の世界か?」
「いいえ、違います。」
目は見えないが、音は聞こえる。
それによってここにいるもう一人の存在を俺に教えてくれる。
「誰だ?」
短く問う。
「答える義務はありません。」
そっけない応答。
「知りたいのならアルフェリア山脈の頂上に来なさい。あなたをそこで待ち続けますから。」
「いや俺死んだんだけど。」
「ふむ、確かにそうですね。ではあなたに新しい命を与えましょう。その命で私のもとまで来なさい。ただし、一月。それまでにこれなければあなたは本当に消滅します。」
~一方そのころの現実世界~
「一人死んでしまったがこいつの殺人劇を止めたのは評価されるだろう。」
殺人鬼を肩に載せながら言うと
「あれは不意だったからしょうがないっすよ。そのあとは特に大きな被害もなかったんっすからあいつには気の毒としか言いようがないっすよ。」
「そうそう、あんなに騒がれていたけどやっぱりただのガキだったから、俺たち大人のてきd。」
不意に言葉が途切れた。
見ると顔が吹き飛んでいる。
よく見ると俺以外のやつ全員の顔がなくなっている。
殺したはずの殺人鬼がゆっくりと動き出した。
あいつが触れていたのは隊長のみ。
それなのに隊長以外の全員に攻撃を与えるのは、、、
「お前は、夜帝属・・・なのか?」
夜帝属、フェーズと呼ばれる特殊能力を使い、イマジンによる攻撃、つまり想像した攻撃を一定時間可能にする種族。
今起きた光景を可能にできるのは夜帝属だけ。
「いや、俺は違う。ただ、使える。これがフェーズか。今なら世界すべてを壊せそうだ。」
周りにあった木々がすべて一瞬で消え去った。
「な、なんで俺だけ生かした?」
「あぁ、お前アルフェリア山脈の場所わかるか?それさえ教えてくれたらお前は殺さないでやろう。」
「み、南の方向に10キロくらい進んだらあ、あります。」
「そりゃどうも。」
そう言うと同時に殺人鬼は南にものすごい速さで飛んでいった。
三十秒間放心状態になり、動こうと立ち上がった瞬間体が爆発した。
「10キロ、この速さならすぐかな。」
フェーズは一定時間で消える。
だが、俺のフェーズは消えない。
新しいフェーズ、フェーズ2が誕生した瞬間だった。




