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今にも落ちてきそうな月の下で  作者: 秋辺野扉
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エピソード6

「……はぁ」


空が赤い。


夜が赤い。


月が赤い。


目の前が赤い。


頭から流れた血が目を濡らしている。


僕はと言えば、全身の痛みに耐えながら、地面に両手と両足を投げ出して、


まるでリラックスしてるみたいに仰向けに倒れていた。


奴らは、殴られても蹴られても何も言わない僕に根負けしてどこかへ行ってしまった。


……と言えばかっこいいんだけど。


実際は動かなくなった僕を死んだと思っただけか。


もしくは僕なんかに構ってるより、望を追って行ったのか。


望は運動神経は悪くないし、機転も利く。


今頃ちゃんと逃げて身を隠してるだろう。


そう願う。


「い……ッ」


ズキズキと頭が痛む。


目の奥が熱い。


「はぁ……」


空が赤い。


夜が赤い。


月が赤い。


目の前が赤い。


……思えば、望と会ったのもこんな夜だったっけ。


見上げてたのは望だったけど。


「大地君……!」


赤い視界の外から望の顔が覗く。


そう、こういう風に見下ろしてたのは僕だった。


「大丈夫? 痛くない? 痛いよね?」


「でも男の子なんだから、もう少し我慢して」


「ちゃんと手当するから、ね?」


思い出に浸る間もなく、手を引かれて起こされる。


それこそ月が近づくみたいに。


地球への道を手繰るように。


「…………」


赤く濡れる瞳の中、望だけは輝いて見えて。


もしかして。


本当に望は『月』なのかもしれない。


なんて事は、全く思わなかった。

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