表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
凍り鬼  作者: greed green/見鳥望
第一章 影裏
4/70

(3)

「何すかこれ?」

「おお。目通したか。で、ご感想は?」

「誰かのおふざけですか?」


 一通り資料に目を通した私は、早速こんな訳の分からない仕事を押し付けたパワハラ野郎に文句の一つでも言ってやろうと梅﨑さんに電話をかけた。

 私の反応が予想通りだったのだろう。梅﨑さんは愉快そうに笑っていた。


「おふざけかどうか、それも込みで調べろって事だよ」

「あの、私決して暇じゃないんですけど」

「俺らからしたら暇も同然だ」

「だからって、こんなお遊びに時間を費やせだなんて――」

「おい」


 急に梅﨑さんの声が尖りと冷たさを見せた。


「お前、ちゃんと読んだんだよな?」

「……はい」

「遊びで人は死んでいいのか?」


 その声は先程までの先輩の声ではなく、刑事としての声だった。

 日常的に誰かの悪意や嫉妬や恨みなどで奪われた命を目の当たりにしてきた者の声だった。


「とりあえず、影裏に行ってくれ。後はそこで指示を受けろ」

「行くって、どうやってですか?」

「いいか。一回しか言わないからメモれよ」


 そう言うと梅﨑さんは、ばばばばっと影裏への行き方を伝えて最後によろしくと一声残し電話は切れた。

 なんだか面倒な上に、厄介な事に巻き込まれてしまった。

 

 ――帰りてー。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ