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凍り鬼  作者: greed green/見鳥望
五章 氷と鬼
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鬼の魂

 一体何が起こった。

 

 これは何だ。


 何でこんな事になってる。


 俺は、俺は確か。


 自分が今いる場所は同じだ。


 だが見ている景色は、つい先程までのものと全く違う。


 目の前で泣いていたはずのあいつの顔がない代わりに、今はあいつの頭を見下ろしている。


 なんだよこれ。


 なんなんだよこれ。


 その時、


『急げ』


 声がした。そんな気がした。


 それは、自分に良く似た声だった。

 

 眼下の光景を確認する。


 ――そうか、そういう事なのか。


 急がないと。


 本能的に意味を読み取った。


 後は、選ぶだけだ。

 

 どうする。どうする。


 そして、俺は決めたのだ。


 今後の生きる為の道を。


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