はじめての相談者
放課後
(いじめなくそう隊相談室)と張り紙がされた教室でひかるとてんが
相談者を待つ
ひかるはいつでも来いとばかりに気合をいれて座っている、姿勢をただし
机の上にはいざという時のための参考文献やノートをそろえている、
その横でてんはいまにも眠りそう、だらんと座っている
「ねぇーひかるさぁーん」
てんがだらだらひかるに聞いてくる
「なに?」
「もう帰っていい?」
「だーめ、いつでも相談にのるって言ったし、放課後が終わるまでいなきゃ」
「もうだれも来ないよーてか、なんでわたしたち2人だけなの?」
「うん、生徒会の人たちあまりこき使うといけないからねっ」
「…わたしはいいんだ…」
てんがふてくされた声でつぶやく
「いいじゃん友達じゃないーねっ」
とひかるがてんの肩をたたく
「…じゃあさ、寝てもいい、ここで」
「うん、それはいいよ、誰か来たら起こしてあげるから」
ひかるがてんの顔をのぞきこむように見つめる、てんは座った姿勢で
すでに眠りに入っている
「早っ!」
その時、(ゴトッ)廊下のほうで音がする、人影がちらっと見える
「てん!起きて誰か来た!」
ひかるがてんを揺り起こす
「もーう、寝てたのにー、誰も来ないよう…」
「いや、だれかいるって!」
寝おきで機嫌の悪いてんの腕をつかんでひかるが廊下に飛び出る
(…だれもいない)
「やっぱ誰もいないじゃん、寝とぼけたんじゃない?ひかるさん」
「いや、わたし寝てないし、寝てたのはてんの方…」
後ろに人の気配を感じる、2人が同時にふりかえる
「え?」
背の低いちっちゃい女の子が立っていた