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末広 親子

「痛ってぇー」

 アパートの1室、末広だいすけが悲鳴を上げる、血がにじんでいる足の裏、

 消毒液を塗ると痛みが足全体に広がる

(くそーあの3人、わざとおれの方へボールを飛ばして…とってこーい!って

何回とりに行ったことか、こっちはあの日、裸足で家まで帰って、足の裏

傷だらけだってのに…)

 薬が渇いた足をもう一度消毒する、今度は痛みが頭のてっぺんまで一直線に

 突き刺さる

「いー!」

 うめいていると玄関のドアが開く音、父親が帰ってきたのに気づき声を

 押し殺す

「ただいまー」

 父親が疲れた声で入ってくる、だいすけがその顔を見て驚く

「え? どうしたの、その顔? すごい腫れてるし…」

「ああ…ちょっと、仕事でやっちまって…さ」

「大丈夫?慣れない肉体労働なんだから気をつけてよ」

「ああ…で、おまえのほうこそどうした、足、ケガか?」

「あ…ちょっと…部活でさ…」

「あまり頑張りすぎるなよ、ケガしちゃあ元も子もないからな」

「…う…うん」

「すぐに晩メシ作るから、待ってろ」

父親が台所へ向かう、冷蔵庫を開け支度を始める

「そうそう、そういえば今日、おまえと同じ学校の子がバイトに来たぞ、ま、

女の子だし2年生だから知らないと思うけどな」

「…あのさぁ、おやじ」

 父の話をさえぎり話かける

「…ん?」

 ごはんの支度の手を止め父が振り返る

「…いや…ま、いいや…」

 あわてて使い終わった薬をかたづけ、となりの部屋に入って行った

 少しだけ足をひきずるように…

 

 











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