木の詩
1詩目、靭やかに
強い風が吹く
一本の木はそんな中でも幹や枝などを靭やかに揺らしたりして躱す
ただ、自身が折れないために
ざわざわと葉が擦られ、音が鳴る
今度は雨も降り始めた
次第に、雨脚も強くなる
それでも、木は佇み続けた
私はこの木のように靭やかさを保てているだろうか
ふと、そう思った
いずれは大木になるだろう
目の前にある若木は
その頃には私はいないだろうけど
代わりに、見つめ続ける誰かが現れるかな
若木よ、あなたみたいに躱す事も考えてみるよ
ちょっとは見習わないとね
第2詩目、若葉
きらきらと日差しを受けて
若葉が輝く
見事な翡翠みたいな色を放つ
それを見ながら、しみじみとなる
ああ、初夏が来たなと
だからか、日の光がやけに眩しい
私は目を細める
幼い頃はこの季節が好きだった
今もだけど
ゆっくりと歩く
若葉は変わらず、輝き続ける
もうちょっとしたら、夏だ
暑いのは苦手だけど
凌げる程度には頑張るかな
そう思いながら、澄み渡る空を見上げた
第3詩目、木に咲く
ゆらゆらと風に揺れる
目の前には見事な藤の花が咲く
紫に白に
鮮やかだ
昔から、紫の藤の花は縁起が良いからと好まれていたらしい
それを聞いた時には驚いたものだ
今でも、この花を見ると
自然と目が追ってしまう
それくらいには好きな花で
紫もだけど
不思議と、白の藤の花も清廉な感じで見つめてしまう
藤の花は変わらずに揺れる
そこにカナブンが飛んできた
おっかなびっくりになりながら、静かにその場を離れたのだった




