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第39話 ファイヤードラゴンとの死闘

「今走ってもすぐに追いつかれるわ。森に隠れましょう」

マリーの機転の利いた言葉で俺達は森へと駆け込んだ。

ドラゴンは俺達のすぐ近くまで来ると口から火を噴き近くの木々を全て焼き払ってしまった。

「まずい! 見つかったわね」

マリーは俺たちをかばうように身構える。


「こうなったら戦うわよ」

小百合はこう叫ぶと刀を鞘から抜いた。

 小百合が刀を振り下ろすと真空の刃がドラゴンを襲った。

しかし、ドラゴンの強靱な鱗がこれを簡単に跳ね返す。


マリーは両手を挙げ呪文を唱えると矢の雨がドラゴンに降り注いだ。

これまたドラゴンの鱗を突き抜くことはできない。

頼りのマリーの攻撃も通じないのか?

俺の焦りが高まっていく。


芽依の雷がドラゴンの胸に命中する。

だが鱗の欠片が舞い散るが大したダメージは与えられないようだ。

 3人は次から次へと攻撃を繰り返すが結果は変わらない。


「しぶといドラゴンね。こうなったら私の最強の魔術で攻撃するわよ」

マリーは呪文を唱え大きく両手を広げると、空からドラゴンめがけ土鍋や薬缶が降り注いだ。

「そんなもん降らしてどうするんだ!」

ドラゴンは降ってきた土鍋を持ち上げ不思議そうに眺めている。

 ダメだこりゃ。


 その時、芽依の放った氷の矢がドラゴンを2、3歩後退させた。

「ナイスだ芽依」

「火には氷よ。私達も氷で攻撃しましょ!」

小百合が提案すると、

「おう!」

と全員が賛成する。


 芽依の氷の矢、小百合の氷の刃、マリーの雹の嵐がファイヤードラゴンを襲う。

ドラゴンはもがき苦しみ後退りするものの倒れるまでには至らなかった。

「これでとどめよ」

マリーは空中高く舞い上がり両手を大きく広げて呪文を唱えると、大きな土鍋がドラゴンの頭上に現れ大量の氷水をぶちまけた。

流石のドラゴンもこれには参ったのか頭を抱えてうずくまっている。


「やったあ!」

全員同時に声を上がる。

「私が髭を切ってくるわ」

小百合は一言残しドラゴンめがけて駆けだした。


「小百合ダメよ! まだ倒れたわけじゃないわ!」

マリーの言葉に小百合は慌てて立ち止まる。

ドラゴンは小百合を見るや否やいきなり火を噴いた。

「危ない伏せて」

マリーの声に小百合が慌てて伏せると、そのわずか上を炎が通っていく。


やばい、このままでは小百合が危ない。

ドラゴンとの距離が近すぎる。

 その時、芽依が空中へと舞い上がった。

「芽依が浮いている!?」

マリーならともかく何で芽依が浮くんだ? 

俺は何が起こったのか理解できぬまま突っ立っているしかなかった。


「ファイヤードラゴン。あなたの敵はここよ」

そう叫ぶと芽依は大きな氷の柱でドラゴンを攻撃する。

ドラゴンはすかさず口から炎を吹き反撃するが、芽依の作り出した氷のバリアに跳ね返された。

「今のうちよ。小百合さん、早く逃げて」

小百合はそれを聞くと素早く立ち上がりこちらへと走り出した。


「私達も攻撃するわよ」

マリーは空中高く飛び上がると再び雹を降らす攻撃を開始する。

戻ってきた小百合もすぐさま攻撃を仕掛ける。

「す、すごい!」

まさかこんな高度な戦いができるとは思わなかった。


「四郎君も少しは攻撃してよね!」

小百合の一言が炸裂する。

確かにその通りだ。ここに来て俺は一度も攻撃をしていない。

 俺はドラゴンの頭部を狙ってライフルを構えた。

氷の弾をイメージするんだ。

自分に言い聞かせると瞑想をするように目を閉じる。

今まで実感したことのない集中力だ。

これならいける。外したってまた撃てばいい。

俺は氷の弾がドラゴンの額に当たり、倒れるイメージを必死で思い浮かべる。


そしてイメージはできあがった。俺の指が自然に引き金を引いた。

「よし!」

銃口から発射された弾はみるみる氷の固まりとなりドラゴンの額へと見事命中した。

 ドラゴンの動きが一瞬止まる。

「やったー!」


だがドラゴンは俺の方を見ると短い手で弾の当たった額をポリポリと掻いている。

 これは何か。こんな攻撃全然効かねえぜというあれか?

「何で俺の時だけ余裕の表情なんだよ」

とにかくファイヤードラゴンは強い。


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