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黒は何色にも染まらない  作者: あーるじゅうはち
1/4

Black doesn't dye anything.

〜君たちの青春は甘酸っぱい

薔薇色の青春だったのだろうか〜


誰しも青春時代を送り、青春時代はボッチだ、灰色だなどと吐かす人がいるが絶対にひとつは甘酸っぱい、青春の味がする1ページがあるものだ。


授業が終わり、地獄のチャイムがなる。

全てを壊す崩壊のチャイムだ。


周りの生徒は部活動の準備を始める。

女子は教室で、男子は廊下で体育着へと着替える。

僕を除いて。


僕は制服のまま重い足取りで体育館の裏へ歩みを進める。

あぁ、この道が地獄への道では無くて天国への道ならいいのに。

昨日のキズがまだ痛む。でも、あと1年。たった365日耐えるだけで解放されるんだ。

渡り廊下を抜けて光明が差す。

ただ、その先に待ち構えているのは閻魔のようなヤツだ。


「よぉ。今日も逃げずに来たか。」


僕と彼らは体操着ではない。

そう、これは決して部活動ではないのだ。


僕は今、絶賛虐められている。


事の発端は入学式。

友達を作ろうと思って彼らが入学式にふざけている所を

一緒になって割り込んだ事がトリガーだろう。

それから1年、耐えに耐えてきた。

それはもう、地獄のような時間だった。

黒の制服で血を隠し、ボロボロの体で体操服に着替え

自分で泥まみれにし帰路に着く。

親には毎回、部活動で頑張っていると言っている。

帰るととても暖かいご飯が食卓に並んでいる。

心も体も温まる、とても美味しい僕の母の料理。

決して虐められているなんて言えるもんか。

あと1年、死んでも耐えてやるッ!


「!?なんだよその目はァ!!」


ドンッ!

やばい、変なところに入ったッ。

息が……

あぁ、暖かい。母の温もりを感じる。

僕は死ぬのか。昨日のオムライス、美味しかったな。

お父さんのプリン、勝手に食べてごめんなさい。

妹にゲーム壊したこと謝らないと……

あぁ、これが走馬灯か……

なんで僕がこんな思いをしなくちゃいけないんだ。

薔薇色の青春?甘酸っぱい学校生活?

そんなもんクソ喰らえ。

全てコイツらのせいで何もかも壊された。

全員殺してやる。

絶対に


殺して



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