Black doesn't dye anything.
〜君たちの青春は甘酸っぱい
薔薇色の青春だったのだろうか〜
誰しも青春時代を送り、青春時代はボッチだ、灰色だなどと吐かす人がいるが絶対にひとつは甘酸っぱい、青春の味がする1ページがあるものだ。
授業が終わり、地獄のチャイムがなる。
全てを壊す崩壊のチャイムだ。
周りの生徒は部活動の準備を始める。
女子は教室で、男子は廊下で体育着へと着替える。
僕を除いて。
僕は制服のまま重い足取りで体育館の裏へ歩みを進める。
あぁ、この道が地獄への道では無くて天国への道ならいいのに。
昨日のキズがまだ痛む。でも、あと1年。たった365日耐えるだけで解放されるんだ。
渡り廊下を抜けて光明が差す。
ただ、その先に待ち構えているのは閻魔のようなヤツだ。
「よぉ。今日も逃げずに来たか。」
僕と彼らは体操着ではない。
そう、これは決して部活動ではないのだ。
僕は今、絶賛虐められている。
事の発端は入学式。
友達を作ろうと思って彼らが入学式にふざけている所を
一緒になって割り込んだ事がトリガーだろう。
それから1年、耐えに耐えてきた。
それはもう、地獄のような時間だった。
黒の制服で血を隠し、ボロボロの体で体操服に着替え
自分で泥まみれにし帰路に着く。
親には毎回、部活動で頑張っていると言っている。
帰るととても暖かいご飯が食卓に並んでいる。
心も体も温まる、とても美味しい僕の母の料理。
決して虐められているなんて言えるもんか。
あと1年、死んでも耐えてやるッ!
「!?なんだよその目はァ!!」
ドンッ!
やばい、変なところに入ったッ。
息が……
あぁ、暖かい。母の温もりを感じる。
僕は死ぬのか。昨日のオムライス、美味しかったな。
お父さんのプリン、勝手に食べてごめんなさい。
妹にゲーム壊したこと謝らないと……
あぁ、これが走馬灯か……
なんで僕がこんな思いをしなくちゃいけないんだ。
薔薇色の青春?甘酸っぱい学校生活?
そんなもんクソ喰らえ。
全てコイツらのせいで何もかも壊された。
全員殺してやる。
絶対に
殺して




