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くろうさぎ

おは、よう


目が覚めた。朝鳥が鳴いている。


井戸の冷水で身体を清め、朝食を摂る。


庭に出た。昨日磨いた大剣を両手で持つ。


剣を振る。


剣を振る。


剣を振る。


剣を振る。


剣を振る。


剣を振る。


剣を振る。


剣を振る。


剣を振る。


剣を振る。


剣を振る。


剣を振る。


剣を振る。


剣を振る。


気配を感じた。


斬撃を放った。


ヒッ!? と断末魔の叫びが聞こえた。


確認する。


頭の取れた狂い黒兎──と尻餅をついた昨日の紳士風の男がいた。今日の晩御飯だ。


「ははっ……お見事ですな」


気づけば夕暮れどき。帰路に着くことにした。


何故かついてきた。


家に上げた。


お茶を淹れた。


「こ、これはまた良い茶葉をお使いで……」


若干顔がひきつってる。なんで?


荒野に生えてた茶葉で淹れた。


飲むと悩みもすっきり。


「そ、それは随分と前衛的なことで……」


少し顔がひきつってる。ふしぎ。


「ご、ごほんっ、本題に入りましょう。災獣ニルヴァーナの御討伐誠に有難う御座います。幾ら感謝してもし足らない限りです。それにつきまして、今回私の方から細やかながら御礼の方をと……」


気にしない、自分のため。


紳士風の男は静かに此方を見詰めた。


「いえ、本来ならこれは勇者が収めるべき事態。で、あるからして未だに現れぬ勇者の代わりに無関係の貴殿を捲き込むことなどあってはならないこと。つまり今回はその迷惑料だと思って頂きたい」


大丈夫、自分のため。


「しかし、このままでは私の気が済みませぬ」


問題ない、自分のため。


「ぐっ、ですが貴殿にはっ! ……いえ今のは聞かなかったことにしてください」


晩御飯を作る。


血を抜いた狂い黒兎を捌き、野菜と一緒に牛乳で煮る。


狂い黒兎肉の牛乳煮。


今日はもうお腹いっぱい。


「とても美味でした」


紳士風の男はハンカチで口を拭いた。


美味しかった?


「私としたことが平静さ失ってしまっていました。こちら……」


ディナー代です。と紳士風の男はコトッと宝石を机に置いた。


「当家は如何なる状況であれど貴殿への協力を惜しまない。そう誓いましょう」


紳士風の男は一礼すると立ち去った。


いらないっていったのに。


かまどでほどよく温めたお湯でからだを清め、今日のところは寝る。


何もない荒野に転移した。


寝るまえに数年前におぼえた魔法をつかう。


ゴオォ……と音がして数年前とは比較にならない位大きな火柱が立ち上った。


続けて数年の間におぼえた魔法もつかう。


濁流が起き、竜巻が発生し、雷の雨が降り、隕石がクレーターを作った。


元あった原型が分からなくなるほど変わり果てた荒野。


そして最後に


昨日放った光線を放つ。


遥か上空彼方から光の柱が落ちてきた。


ジュッという音がして昨日より更に眩しく光を散らす。


地面に大穴が空いた。


それに満足したので寝た。





じゅうしー

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