夢じゃない
お越しいただきありがとうございます。
こんな状況にいきなりなったら
夢だと思います。
夢のような話です。
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それでは、お楽しみください。
通学時間は、日を追うごとに和やかな雰囲気になっている。
俺としては、うれしいことだけど
やっぱりマニュアルの事が気にかかる。
かおりは、俺に興味があるようなので
マニュアルの対象が、気になる人とか好きな人であれば
俺が対象っていうことも考えられる。ちょっとうれしい。
でも、星奈は、俺に男子としてしか興味がないと言っていた。
男子としてだけで、マニュアルの対象になるのか?
星奈の周りに男子が居なかったから?
それだと、唯さんの説明が付かなくなる・・・。
何の文字も出ていないのだから。
疑問で一杯になってしまって、
中学時代には、想像も出来なかった女子との通学も
本当は、夢でも見ているのか?と錯覚してしまう。
「いでっ」
「ユッキー。何で頬をつまんでるの?」
思わずやってしまった。
「何でもないよ・・・。」
「マニュアルのこと、考えてたでしょ?」
かおり鋭い。
「私も考えてた。恋人獲得マニュアル・・・。
なんだか、名前が微妙よね。」
「そこかっ!?」
「そこっ!?」
星奈と顔を見合わせ、笑ってしまった。
始めてみた星奈の笑顔は、ドキッとする程可愛らしかった。
「考えてみたけど、腑に落ちない点が多くて・・。
2ページ目以降の内容教えてほしいかも。」
「それはダメ。」
二人とも、完全拒否だ。
少し時間を掛けながら、謎解きするしかないな。
ここまで拒否されると内容が気になって仕方ない。
一体どんな内容だろう・・・ちょっとドキドキする。
一番楽しみだった通学電車を降り、女子だらけの校門に向かった。
「じゃ、お昼にテラスに行くね!」
二人と別れ、昼の約束を楽しみに教室に入った。
「おはよう。ユキヤ君!」
「おはよう・・・。」
昨日、カラオケに誘ってくれた子だ。
でも、名前がわからない。
昨日は、手塚君だったから親密度が増して、ちょっとうれしい。
「放課後、予定有る?昨日誘ったカラオケ、今日行かない?」
幸い今日の放課後は予定がないから行っても良いかな。
「今日は大丈夫。空いているよ。」
「やった!じゃ放課後ね!念のため言っておくけど
私は、佐藤 葵です。よろしくね!
場所は、ターミナル駅前の大きいところで!」
自分から自己紹介してくれて良かった。
必死に探りを入れるところだった。
場所もそう遠くないし、予め決めてくれると助かる。
「よろしく。佐藤さん。」
「葵で良いからねー!」
ぴょんぴょんしながら自席に戻っていった。
天真爛漫なタイプなのかな?
それにしても、二人きりってことじゃないよな?
周りに人も居たし、それは無いか。
授業が始まり、眠りに落ちそうな自分を応援しながら、昼食の時間になった。
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