恋人
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主要登場人物
ユキヤ 主人公。隙があって鈍感。
かおり ユキヤの中学からの同級生。(実は小学校から。)
星奈 2年生 ユキヤの幼馴染。
唯 3年生 モデル並みの美貌の持ち主。
玲奈 1年生 ハーフ美女。留年している。金髪ゴリラ。
五日市先生(千春) かおりのお姉さん。
手塚正吾さん……。これは、父さんがおいちゃんと呼ぶ人の名前だった。俺の家系と中川家に接点があったなんて。だから、お墓参りに行った時にセナちゃんは合点がいったようなつぶやきをしたのか。
読み進めると、最後のページに違う筆跡がある。
“○○年△△月××日
この日記を読んだ、すべての人に素敵な恋が出来ますように。 手塚正吾”
遺族からこの日記を借りたのだろうか、最後の日記より1週間後の日付が書いてあった。
しばらく思考が追い付かなかった。時代の違いがあっても自分がとても恵まれた環境にあるということ、人にこんなにも愛されているのに、あいまいな返事を返すなど、自分がしてきた中途半端なことに対する罪悪感。その他にも……。
もしかしたら、1人に決められないかもしれない。でも、俺が彼女たちの立場なら正直言って許容できないと思う。みんな口では、大丈夫と言っているけれど、俺は、はっきりしてもらいたいと思うはずだ。だから、ホワイトデーまでに俺の気持ちを明らかにして、返事をする。それがみんなに対する礼儀というものだ。そう決心した。
みんなの良い所は全部知ってる。もちろん誰が一番ということじゃない。今の俺に誰が必要か、それは俺自身がもう自覚しているのだから……。
桜が咲き始めた3月15日。俺は、全員に想いと返事を伝えた。
4月
今日から新学年が始まる。新入生の男子も多数入学すると千春さんから教えてもらった。これで、俺を異常にチヤホヤするのもおさまるだろう。
サークルは、変わらず継続することになった。全員同意の上で、俺のことは絶対に諦めないという誓いなのだそう。
そして、3月まで4人で来ていたお迎えが、今日から1人になる。
そう俺にとって初めての恋人。
“ピンポーン”
もう来たみたい。いつも通り、1階に降りて玄関のドアを開く。
彼女の笑顔がそこあった。
「おはよ! ユキ君!」
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