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恋愛読本。  作者: 半栖酒美斗
182/191

一途

お越しいただきありがとうございます。

今回はかおりちゃんの主観です。

ブックマーク・評価等いただけると励みになります。

お楽しみください。


主要登場人物

ユキヤ  主人公。隙があって鈍感。

かおり ユキヤの中学からの同級生。(実は小学校から。)

星奈  2年生 ユキヤの幼馴染。

唯   3年生 モデル並みの美貌の持ち主。

玲奈  1年生 ハーフ美女。留年している。金髪ゴリラ。

五日市先生(千春) かおりのお姉さん。


 帰り道、唯さんの提案でたまにはルポ以外のケーキを食べに行こうということになった。気を紛らわすには丁度いいと思い、承諾して以前ユッキーが買ってきてくれたケーキ屋さんに向かった。


「かおりちゃん、お店に着いたら私の失敗談をお話ししてあげる。これがヒントになると思うよ。」


「玲奈さんの失敗談?」


 留学の失敗談とかなのかな?でも、ヒントになるって言うし……。


「唯と星奈が羨ましい。このマニュアルはそもそも1人でやっちゃいけないものだよ。1人で始めた私が言うんだから間違いないわ。」


 そんなお話をしながらお店に到着。久しぶりのケーキなのでちょっと楽しみ。いつものショートケーキ、モンブラン、ミルフィーユ、そしてフルーツタルトをオーダーして席に着く。


「確かに、3人で始めたのは心強かったかも。私の場合、ユキ君へのアプローチが今考えてもかなり失礼だったのが悔やまれます……。」


「星奈、どんなことしたの?」


「いきなり付き合ってって言った。しかも別に好きじゃないとも言った……。」


「想像以上だね。でも、まあ、星奈がそんなことを言ったのが驚きだけれど。」


「あの時は、良く分からない使命感があって、どうしてもこの人の近くに居ないといけない気がしてたの。でも、それは理由にならないよね……。ってあまり過去をいじらないで。」


「ごめんごめん。その過去の話ね。」


 玲奈さんが本題に入る。


「かおりちゃんの様子を見ると、私と同じことが書いてあったと思うの。その時、私は小学生で全然理解が出来なかった。」


 別れを告げる……。小学生には無理だよね。


「だから自分なりに考えて行動してみたの。まず、空手を辞めた。これでてっちゃんとの接点は、近所に住んでいるだろうくらい。元々共通の友達も居なかったし。」


「空手に未練はなかったんですか?」


「全然無いよ。嫌々始めたものだし、てっちゃんが居たから続けていたようなものです。」


 言い切った。でも別れを告げるで、ここまで思い切ったことするなんてすごい。私、別れを告げるっていうから、代案を考えなきゃとしか思わなかった……。でも、小学生じゃ書いてある通りにするのが限界だよね。


「それから全く会えなくて、このままじゃまだ足りないのかと思って、アメリカ行かなくても良かったのに行っちゃったし……。まあ、結果的に再会出来たから良かったんだけどね。」


 玲奈さんってユッキーを一途に想っているのが伝わってくる。私もそうだけど、ちょっと押されてしまう。


「で、ふと気づいたんだよね。ああ、そういう意味かと。私が小学生の時に思ったことは、意味が少し外れてて、自分自身の内面に関する事だったんだなぁって。」


 そこまで話してもらえれば、私でも分かる。そうね。そうだよね。


「ねぇ、玲奈。これでかおりちゃんは分かるものなの?」


 唯さんが質問する。確かに内容を知らない人には全然想像も付かないことです。


「玲奈さんのおかげで、良く理解できました。本当にありがとうございます!私もがんばります!」


「うん。分かってもらえて良かった。夜も眠れそう?」


「ぐっすりは難しいですけど、もう少し考えてみたいと思います。」


「唯と同じく、私も良く分からないけれど、元気なかおりに戻ったから良かった。」


「星奈さんも心配させてごめんなさい。」


 少しだけ疑問が晴れたから、私もちょっと疑問をぶつけてみよう。


「あの、唯さんと星奈さんは、ユッキーに告白したんですか?」


「うん。ちゃんと想いを伝えた。」


 やっぱり星奈さんは、一度決めると真っ直ぐだ。


「私も伝えたよ。かなりモジモジしてしまったけど……。」


 唯さんは、最初の印象と随分変わってしっかりもののお姉さんから、ちょっとドジっ子で可愛い感じになってしまったけれど、やる時はやるのが素敵です。


「私も焦ったりはしないですけど、いつか想いを伝えようと思います。」


 今は、これが限界。でもちゃんと想いを伝える。その時まで想いを膨らませておこう。

ご感想・レビュー・ブックマーク・評価、いただけると幸いです。

よろしくお願いします。

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