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恋愛読本。  作者: 半栖酒美斗
181/191

めまい

お越しいただきありがとうございます。

今回は、かおりちゃんの主観です。

こんな良い子が近くに居たら守りたくなりますね。

ブックマーク・評価等いただけると励みになります。

お楽しみください。


主要登場人物

ユキヤ  主人公。隙があって鈍感。

かおり ユキヤの中学からの同級生。(実は小学校から。)

星奈  2年生 ユキヤの幼馴染。

唯   3年生 モデル並みの美貌の持ち主。

玲奈  1年生 ハーフ美女。留年している。金髪ゴリラ。

五日市先生(千春) かおりのお姉さん。


 学園祭が終わって、今年のイベントはテストのみとなり、平穏を取り戻しつつあった。いつも通り、ユッキーを迎えに行って、一緒にお昼を食べる。放課後も一緒に過ごして、バイトも一緒。4人の中では一番一緒に居る時間が長いのかもしれない。なんだか生活の一部になってしまっていて、ちょっと物足りないかも。


「かおりちゃん、今日はユキヤ君バイトなのよね?」


「はい。私はお休みです。」


「4人でね。話があるの。」


「分かりました。じゃ放課後、部室に行きますね!」


 唯さん、話ってなんだろう?言い方からすると他の2人ではなくて、私に話みたいだし。ちょっと気になるかも。

 放課後になると、少しお友達とおしゃべりしてから、部室に向かう。いつも通りの放課後。


「こんにちはー。」


「こんにちは!かおりちゃん。てっちゃんとバイトが一緒じゃないのは珍しいね。」


「今日は、休む人の代わりをお願いされたみたいです。」


「そうなんだ。てっちゃん断ら無さそうだしね。」


「ですね。相変わらずです。」


 そんな話をしていると、星奈さんがやってきた。


「こんにちは。」


 挨拶をすると直ぐに鞄から恋愛読本をだした。あれ?恋愛読本!?


「星奈さん、恋愛読本になってる!」


「そうなの。この話をしたくて、かおりを呼んだの。」


「星奈さん、最後まで?」


「うん。若干勢いで最後まで……。」


 すごい。勢いと言っているけれど、正直言って告白なんて勢い以外の何物でもないと思うし、私だったら考えて、考えて、考えぬいて、石橋を叩き壊してしまいそう……。


「かおりちゃん。実は、私も……。」


 唯さんはそう言うと、恋愛読本を持って見せた。もうマニュアルにはならない。唯さんも!?


「唯さんもですか!?」


「そうなんです……。私も勢いで最後まで、といか色々やらかして……。」


 やらかして?まあ、唯さんのことだから何となくやらかしたって感じはするけれど……。ということは、マニュアルなのは私だけ?


「私だけですよね?」


「そうなんだけど、かおりちゃん。私達は、終わったけれど、絶対に焦ったりしないで、これだけは約束して。」


 確かに焦ってしまいそう。でも、気持ちが中途半端な状態で私も決断できないし。


「わかりました。でも、私、最近マニュアル見てないんです。星奈さん、見せてもらっていいですか?」


「うん。」


 そう言うと星奈さんは、私に恋愛読本を手渡す。すると表紙が恋人獲得マニュアルに変化した。やっぱりそうだよね。ゆっくりページを開いてみる。すると、私は最後のページの前ページまで見れるようになっていた。ということは、これをクリアしたら最後のページが現れて、それを確認したら恋愛読本を読めるっていうことで良いのかしら?

最後のページ前の内容を確認してみると、背筋が凍った。


「あの……。これってみんな同じだったんですか?」


「実は、私と星奈は確認していないの。どうも最後まで一気に終わってしまったみたい。」


 唯さんと星奈さん、本当に勢いだったんだ。


「私は、確認しているよ。その反応だと多分同じ。」


 そうなんだ……。もしこれが私だけだったら、この場で泣き崩れていたかもしれない。そのくらいショックな内容だった。


「かおりちゃん、気持ちは分かるけれど、良く考えてみて。」


 玲奈さんの言葉に、動揺が少し納まった。


「わかりました。今日はもう帰って、色々考えてみます。」


 立ち上がった時、めまいがして、唯さんに支えられてしまった。悟られないようにしようと思ったのに、体は素直だった。


「かおり、一緒に帰ろう。」


「はい……。」


「私も、一緒に帰るよ。ご近所だもん。」


 星奈さんと玲奈さんが気を遣ってくれて助かる。


「みんなで一緒に帰りましょう。その方が戸締りも出来るからね。」


 なんだか、みんなに気を遣わせてしまった。でもこの内容は、心にグサッときますよ春子さん。


“別れを告げる”


なんて……。

ご感想・レビュー・ブックマーク・評価、いただけると幸いです。

よろしくお願いします。

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