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恋愛読本。  作者: 半栖酒美斗
180/191

謝罪

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主要登場人物

ユキヤ  主人公。隙があって鈍感。

かおり ユキヤの中学からの同級生。(実は小学校から。)

星奈  2年生 ユキヤの幼馴染。

唯   3年生 モデル並みの美貌の持ち主。

玲奈  1年生 ハーフ美女。留年している。金髪ゴリラ。

五日市先生(千春) かおりのお姉さん。

 帰りの車は、みんな疲れたのか静かだった。かおりは俺に寄りかかって寝ているし、唯さんは、なんだかいつもなら結構べったりしてくるのに、ちょっと離れて固まっている。これは意識しているってことなのかな?


「唯さん、疲れたら寄りかかっていいですよ。」


「えっ、うん大丈夫。ありがとう、ユキヤ君。」


 そう言うと、少しだけ近づいて、俺に寄りかかる。でも、今日はそこまでだった。

 最初は、全員の家まで送ると千春さんは言っていたけれど、そこまでされると恐縮してしまうし、お願いし難くなるから、ということで解散はかおりの自宅にしてもらう。到着すると荷物を下ろし、千春さんにお礼を言って、解散となった。あのクーラーボックスは、帰りの牧場で乳製品と保冷剤に変わり、結構な重さになって五日市家に収納されていった。

 帰り道は、先にセナちゃん、玲奈組と別れて、俺と唯さんが分かれる感じになる。2人になったらもしかすると、話をする機会もあるのかな?そう思っていた。2人と別れ、唯さんと2人になると、数十メートルで唯さんは地下鉄、俺は私鉄方面に分かれる。短い距離だから、何もないかと思っていた。


「ユキヤ君。ちょっとお話しがあるから、少し公園によってもらってもいい?」


「良いですよ、なんならルポでも良いですけど。」


「誰にも聞かれたくないから公園で。」


 そう言うと、うつむいて無言になってしまった。何だか、空気が重い……。

 公園に到着すると、空いているベンチに2人で座った。しばらく無言だったけれど、さすがに内容を急かすのもどうかと思い、俺も黙っていた。すると唯さんは意を決したように立ち上がり、俺の前に来た。


「ユキヤ君。私は、あなたに謝らなければいけません。あなたが寝ている時に布団にもぐりこんで、キスをしてしまいました。許されることではないけれど、あなたの意思を無視するような行動をして本当にごめんなさい。」


 やっぱり唯さんだったか。まあ、キスしたことは別に良いとして、どうしてその行動を起こそうと思ったのか気になる。


「唯さん、頭を上げてください。でも、どうしてそんなことをしようと思い立ったんですか?」


「……私、昨日の夜、星奈がユキヤ君の部屋でキスしてるのを見てしまったの。」


 なんですと。ドアが少し開いていたのか……。全く気付かなかった。


「私、悶々としてしまって、抑えが効きませんでした……。」


「そうだったんですね。でも俺に直接言わなかったのはどうしてですか?」


「言って断られたら、たぶん私、ショックで寝込む……。」


 寝込んじゃうんだ。それは困る。でも、俺だって男だから色々と都合があるんだけどな。唯さんなら言っても良いかな。


「唯さん、気持ちはわかりましたし、責める気は全然ないです。でも、唯さんは、もう大人だから言っておきます。唯さんがキスした時、俺、起きてたんです。」


「そうなの!?」


「俺も男なので、あんなキスされたらドキドキして、自制が効かなくなります。それに、前にも言った通り、唯さん含めみんな好きな人なんです。だから、唯さんの隅々まで興味もありますし、色んなキスもしたいし、他にも色々なことしたくなっちゃいます。でも、みんなにそれをするって難しいですし、やっぱり今の関係のバランスが崩れちゃうと思うんです。だから、何かしてほしかったらまず、俺に聞いてください。出来る限りはしますから。セナちゃんとキスしたのは、正直、衝動的にしてしまったことでもあるので……。ちょっとブレーキ壊れ気味かもです。」


「そうなの……。私がキスしてほしいって言ったらしてくれた?」


「あのエッチなキスはダメです。あれは、ちょっと自制が効かなくなる。」


「それは言わないで。普通の普通です。」


「普通なら……考えます。たぶんしちゃうけど、俺も男なんで。」


「ユキヤ君のエッチ。」


「唯さんと良い勝負ですよ。」


「私の方がエッチです!」


「何の自慢大会?」


「ホントにそうね……。私、ユキヤ君のことが好き。私のすべてを、あなたにあげたいくらい大好き。だから、みんなに配慮しつつ、これからも攻めるつもりだから、覚悟してね!」


「ありがとう、唯さん。お、お手柔らかにお願いします。」


 預かっていたピアスの留め具を取り出す。


「えっ!どこにあったの!?」


「俺の枕元に……。」


「何やってんだか私。もう隠し事は出来そうにないわ。私、ドジすぎ。」


 そんなやり取りをして、わだかまりが取れたところで解散となった。唯さんも大胆なことする割りにドジなところが、なんとも憎めないな。でも、もしキスしてとお願いされたら、俺は何の躊躇もなくキスすると思う。好きな人にそんな事言われたら断れない。今は、4人とも同じくらい好きで、1人に決められないのだから。


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