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恋愛読本。  作者: 半栖酒美斗
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侵入者

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主要登場人物

ユキヤ  主人公。隙があって鈍感。

かおり ユキヤの中学からの同級生。(実は小学校から。)

星奈  2年生 ユキヤの幼馴染。

唯   3年生 モデル並みの美貌の持ち主。

玲奈  1年生 ハーフ美女。留年している。金髪ゴリラ。

五日市先生(千春) かおりのお姉さん。

 飲み物が無くなったタイミングでお開きになり、各自寝床に戻っていった。このホテルは、ベッドルームが3部屋あるので俺としては本当に助かる。明日の朝も温泉に入れるそうなので、早めに起きて1人で行こうなど考えているうちに、眠りに落ちた。


 薄く光りが差し込み、目が覚める。まだ起きるには早い時間だったので、トイレに行ってから、またベッドに潜り込んだ。しばらくすると、ドアをしっかり閉めなかったのか、人の気配が物音ひとつ立てずに近づいてくる。ベッドの横に来たと思うと、静かに布団の中に潜りこんで来た。いつものパターンだと、千春さんが寝ぼけて侵入または、唯さんが酔いがさめずに侵入、この2つだ。他は、こういうことしなさそうだし、特にかおりは絶対しないと断言できるレベル。今、セナちゃんに侵入されるとちょっと困るというか、お互い意識してしまうことも考えると来ないだろうし……。3人に絞られた。それはそうと、俺のベッドなのに身動きが取れないのは、ちょっと不満だ。せっかくだから、ちょっとからかってみよう。

 仰向けに寝ていた体を、侵入者に対して真正面を向くように移動し、腕を大きくまわして、相手の体を包み込むようにしてみる。これで、簡単には動けまい。

 最初は、動こうと試行錯誤していたようだが、俺に刺激を与えずに動かすことは無理と判断したのか、大人しくなった。俺も、まだ寝たりなかったのでウトウトし始めたころに顔に吐息がかかるような感覚の後、唇に何かが触れた感触を感じた。でも、寝たふりをしていた手前、今、目を開けて起きてましたアピールは、相手にとって大ダメージになる可能性がある。もし、触れたものがくちびるだったら、尚のこと、目を開けることは難しい。誰かもわからないまま、今度は、さっきより大胆にキスをしてきた。舌で優しく、くちびるをなめたり……。すごくエッチなキスをしてくる……。これを無表情で我慢するのはそろそろ限界……。そう思った時に、まわした腕をするりと振りほどき、静かにベッドから出て、その気配は部屋から出て行った。高鳴る胸の鼓動を抑えて、目を開くと、誰が来たのか全く手掛かりがなかった。セナちゃんとした時より、ちょっと大胆なキスだった……。誰だったのか……、しばらく忘れられないかも。

 興奮で眠れないまま、お風呂が開く時間になったので、起床して、1人温泉へと向かった。早朝から営業してもらえるのはありがたい。湯舟につかりながら、物思いに更ける。

昨日と今日、2日連続でキスをした。子供の頃は、遊びでやっているし昔のことだから全然覚えていないけれど、今回は、大人のキス。感覚が違いすぎて、正直思考が追い付かない。それに大人のキスは、とてもエッチな気分になってしまうことが分かった。相手からされた事とは言え、間違いを犯さない為に、自制心を鍛えておこう。それにしても朝方のキスは誰だったんだろう。聞きたいけど、色々と厄介なことになりそうだから、俺の胸の中にしまって普段通りに過ごそう。まあ、寝たふりしてたしね。

温泉から上がり、部屋を目指す。途中の自販機にコーヒー牛乳があったので購入して一気飲みする。もちろんセオリー通り、腰に手を当てて飲み干した。部屋に戻ると、全員起きているようだったけど、昨日の夜更かしのせいでかなり眠そうだ。みんなで眠い目をこすりながら、階下にある朝食会場に向かったd。


「今日は、どこか観光するの?」


玲奈が質問した。たしかにこれで帰るのは、ちょっともったいない気がする。


「近くに牧場があるから、そこに行きましょう。動物と触れ合いも出来るみたいだし。動物苦手な人いる?」


 唯さんの提案に全員同意した。幸いなことに動物が苦手な人はいなかったので良かった。


「そうと決まれば、食事が終わったら、さっさと支度して行きましょう。」


 千春さんが乗り気だ。もしかして、動物好きなのかな?

 食事と一息が終了すると、すぐに部屋に戻って、支度をする。ベッドの布団に忘れ物がないかと目を向けた時、何か光るものが目に入った。近づいて、よく見るとピアスの留め具が枕の横あたりに落ちていた。もしかすると、今日、ベッドに侵入してきた人が落としたもの?これで、キス魔の特定が随分楽になる。留め具を無くさないように仕舞い、全員でホテルの部屋をチェックアウトした。


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