表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
恋愛読本。  作者: 半栖酒美斗
176/191

幼馴染

お越しいただきありがとうございます。

ブックマーク・評価等いただけると励みになります。

お楽しみください。


主要登場人物

ユキヤ  主人公。隙があって鈍感。

かおり ユキヤの中学からの同級生。(実は小学校から。)

星奈  2年生 ユキヤの幼馴染。

唯   3年生 モデル並みの美貌の持ち主。

玲奈  1年生 ハーフ美女。留年している。金髪ゴリラ。

五日市先生(千春) かおりのお姉さん。


 お店を出て階下の部屋に戻ると、俺は、さっさと着替えて、寝れる服装でソファのある部屋に行く。みんなは、化粧を落としているのか洗面所でガヤガヤやっていた。女子は色々と大変だ。

 お店にいた時に、あの薄暗い空間で見た女子のくちびるが頭に浮かんでくる。キラキラしていて、正面に居たら吸い込まれてしまいそうだった。もう女子ではなくて、女性なのだと俺は考えを改めないといけない。


「てっちゃん、おまたせ。寂しかった?」


「そんなことないよ。あれ?玲奈、お化粧落としたんじゃないの?」


「寝る直前まで落とさないよ。今はお着替えしただけ。」


「そうなんだ。」


 じゃ、みんなあのくちびるのままなのか。お酒も入っているし、じっと見ないように気を付けよう。


「ん?私の顔に何かついてる?」


 既に見てたようだ。


「何でもないです。」


「ホントに?」


「いや、あの、学校だとあまりお化粧してないでしょ?いつもと雰囲気違うなって。」


「そういう事ね。どう?見直した?」


「見直したも何も、みんな前から綺麗だなって思ってるよ。」


「……ばか。」


 なぜ、馬鹿なのさ。俺、なんか悪いこと言ったかな。


「玲奈、ユキヤ君はモテモテの鈍感なのです。」


「そうみたいだね……。」


 何のお話をしているのでしょうか?良く分からないうちに、唯さんは千春さんが買ってきたお酒を開けていた。ホントにこの人は。


「唯さん、飲みすぎ注意です。」


「わかってます。がんばります。」


 何を頑張るのか……。セナちゃんが居ないと俺が絡まれそうだ。でも今日は、俺1人で寝られるから大丈夫だろう。

 全員、戻って来たところで2次会の始まりのようだ。千春さんも飲み始めてる。他はちゃんとソフトドリンクです。


「ユキ君もいかがですか?」


 セナちゃんが1本渡してきた。それでは遠慮なく。


「唯が飲兵衛なのは意外だった。家では大人しいのに。」


「えっ唯さん大人しいの?」


「ユキヤ君。私うるさい?」


「いえ、うるさくは無いですけど、大人しいかと言われると微妙ですかね。」


「私は、基本大人しいのです!この場だけだよ。」


 心を許しているってことで良いかな。それそれでちょっと嬉しい。


「玲奈はうるさいよね?」


「てっちゃん、それは偏見です。」


「だって前にセナちゃんが言ってたし。どうなのセナちゃん。」


「うーん。前より随分大人しくなったと思う。基本的に家事好きだから、何かしらお母さんの手伝いしてる。私の出番が減ったのでちょっと楽になったかな。」


「意外だ……。」


「もともと家庭的なのですよ私。良いお嫁さんになるよ!如何です?」


「あっ。考えときます。」


「やったー。」


 そんなやり取りをしつつ、楽しい時間は流れていき、そろそろお開きにという話になる。先に洗面所を使ってよいという事だったので、遠慮なく使わせてもらい、みんなより先に寝室に入り、1人の時間となり、薄暗くしてベッドに横たわった。

 目を瞑ると、セナちゃんのくちびるが浮かんでくる。プルプルのくちびるに触れてみたい、そんな気持ちが高まる。お酒の影響もあるのかな。子供の頃に何度も触れたくちびるだけれど、今触れたら、どんななのかな?

 

「ユキ君。ちょっと入っても良い?」


 セナちゃんの声だ。心の声が外に漏れたか?


「どうぞ。」


 ゆっくり入ってきたセナちゃんは、ベッドの端に腰を下ろした。


「ユキ君、ちょっと聞きたいことがあるの。」


「うん。」


「玲奈と……キスしたの?」


 これは、きっと本人に聞いているし、誤魔化せない。でも普段のセナちゃんなら聞いてこないのにどうしたんだ?


「うん。」


「そう……。」


 重い空気が流れる。この雰囲気は、居心地悪い。俺としては、セナちゃんともキスしたい。ずっとそう思っているのだけれど、それは出来そうもないな。そう感じていた……。


「私もキスしたい。」


 自分の望み通りになる。そう思ったら。もう理性は効かない。見つめ合ったら止めることは出来なかった。子供の頃に何度もしていたけれど、想像していたよりも、ずっと柔らかいくちびるを角度を変えたりして触れる。ドキドキして心臓が飛び出そう……。セナちゃんの同意があると止まらない。直ぐ近くにみんなが居るのに……。みんなが居ると認識して、我に返ると、はにかみながら元の場所に戻った。

 セナちゃんが真っ直ぐ俺を見つめながら口を開く。


「ありがと、ユキ君。やっと自分の気持ちに整理がついた。私は、ずっと前からユキ君のことが好き。」


 幼馴染だった女の子は、他人として再会し、また幼馴染に戻った時には、魅力的な女性になっていた。

ご感想・レビュー・ブックマーク・評価、いただけると幸いです。

よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ