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恋愛読本。  作者: 半栖酒美斗
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時間よ止まれ

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主要登場人物

ユキヤ  主人公。隙があって鈍感。

かおり ユキヤの中学からの同級生。(実は小学校から。)

星奈  2年生 ユキヤの幼馴染。

唯   3年生 モデル並みの美貌の持ち主。

玲奈  1年生 ハーフ美女。留年している。金髪ゴリラ。

五日市先生(千春) かおりのお姉さん。

「こんなところに来るの、生まれて初めて。」


 玲奈は楽しそうだ。俺が初めて入った時は、勢いだけで入ったから楽しさとかあまり感じてなかったけど、2回目からは、結構楽しんでいたからね。大人の雰囲気ってなんだか背伸びしたみたいで、くすぐったいけど、こんな所にも余裕な気持ちで出入り出来る大人になれるようにがんばろう。


「ユキ君の少し頂戴。」


「ちょっと強めだから気を付けて。」


 セナちゃんがそっと口をつけて一口飲む。何だか、いつもと違って色っぽい。これ正面向かれたら、くちびるに吸い込まれてしまいそうだ。ちょっと吸い込まれたいかも。


「ちょっとだけ甘さがあるんだね。おいしいかも。私のも飲んでみる?」


「じゃ少しだけ貰うね。」


「甘めでおいしいね。結構弱めかな?」


「そうみたい。バックスフィズっていうんだって。スマホにメモしちゃった。」


 セナちゃんっぽい感じかな。甘くてすっきりした味わいだった。こうなると、他の人のも少しほしくなる。


「かおりのも飲んでみたいなぁ。」


「いいよ。ユッキーのもちょっと頂戴。」


「これは、なんていうカクテル?」


「アプリコットフィズっていうんだって。フィズっていうのは弱めなのかな?」


 かおりから少し貰ってみる。これも甘めですっきりした感じ、そしてちょっと弱め。かおりの言う通り、フィズというのは少し弱めのお酒なのかもしれない。


「ありがとう。俺のも少し飲む?」


「それは前回貰ったから大丈夫です。ちょっときついかな。」


「てっちゃん、私も頂戴。」


 これは好都合。玲奈からも少し貰おう。グラスを交換して一口頂く。


「これは、オレンジだけど、少し苦みが残る大人な味だね。」


「カンパリオレンジだって。気に入った!」


 玲奈もくちびるがいつもと違くて、吸い込まれそう。今日の髪形もいい感じのポニーテールで色っぽい……。俺、ちょっと酔っぱらってきたのかも。


「ユキヤ君、私も味見する?」


「ぜひぜひ。」


 ん?今、私の味見みたいなこと言ってなかった?まあいいや。唯さんのカクテルも一口頂戴した。


「これは、ちょっと強めだね。オレンジ系だけど、なんてお酒?」


「ワインクーラーっていうんだって。ちょっと大人の味だね。」


 みんな、レストランで何の話をしていたのか気になるけど、この楽しそうな雰囲気を壊してしまうかもしれないから、今日はその話題に触れないようにしておこう。

 そして、2杯目。今まで父さんの知識だったから、今回は自分で調べたカクテルをオーダーした。


「ユキ君。どんなお酒にしたの?」


「結構強いお酒だよ。自分で調べたんだ。今日は、これでおしまい。」


「私は1杯で十分。もう結構フラフラ。」


 セナちゃんの頬が赤い。この色っぽさは凶器にさえ感じる。周りを見てみると他の3人もそんな感じ。でも、唯さんは、すでに2杯目だった……呑兵衛め。そうこうするうちに、2杯目が運ばれてきた。


「これはね。ブランデークラスタって言うんだ。強めのが飲んでみたくて、飲めそうなのを自分で調べたんだ。ちょっと飲む?」


「うん。少し。」


 セナちゃんがグラスに口を付けるのを見たくて勧めたとも言う。この唇は独占したいかも。


「これキツイ。無理。」


 顔をしかめるセナちゃんの横でひとくち。


「キツイ。でもお酒って感じがする。今まで飲んでたのは、ちょっとジュースな感じだったから。」


「手塚、私にもちょっと頂戴。」


 千春さんにグラスを渡す。口を付けるところを見てもセナちゃんのようにドキッとはしなかった。


「キツイ。私も無理だ。」


 唯さんも飲みたがったけど、酔っぱらいの目をしていたので遠慮してもらう。これは自衛手段と言います。玲奈とかおりは、1杯と雰囲気で満足そうだった。


「さて、そろそろ戻りましょうか。」


 千春さんの一言で楽しいバータイムはお開きとなった。でも、俺は知っている。ホテルに行く途中で、千春さんがお酒を買い込んでクーラーボックスに入れたことを。まだ、9時過ぎなことを……。


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