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恋愛読本。  作者: 半栖酒美斗
172/191

話していない事

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主要登場人物

ユキヤ  主人公。隙があって鈍感。

かおり ユキヤの中学からの同級生。(実は小学校から。)

星奈  2年生 ユキヤの幼馴染。

唯   3年生 モデル並みの美貌の持ち主。

玲奈  1年生 ハーフ美女。留年している。金髪ゴリラ。

五日市先生(千春) かおりのお姉さん。


 食事中に、恋愛読本に関するmissionの結果をすり合わせた。まず、佐々木さんと陽菜さん、かおりが居ると恋愛読本が読めないことが濃厚という結果になった。同じように俺も玲奈と俺のmissionで読めないようになっていると言えると思う。そして、何故かこの時に判明したことをみんなに伝えていなかったので、言ってみようと思う。


「あの、突然なんですけど、俺と五日市家の2人は親戚でした。」


「えっそうなの!?」


 何故、千春さんが驚く。


「かおり、言ってなかったの?」


「あっ。忘れてた。」


「かおりちゃん、かわいそう……。」


 ん、唯さん、その反応は電話の時のかおりと同じ匂いがしますよ……。


「唯さん、思っていること当ててみましょうか?」


「えっ?うん。」


「親戚だから、結婚できないとかじゃないですか?」


「ユキヤ君、超能力者?」


「かおりが同じ反応をしましたから。遠い親戚なので、その辺りに障害はありませんよ。」


「そうなんだ。ホッとしたような、ちょっと複雑なような。」


「私と手塚、どのくらい遠縁だったの?」


「俺の父さんの御祖父さんの奥さんが五日市です。かなり遠いです。」


「そうなんだね。だからかおりが家系図引っ張りだして、大きな声だしてたのか。」


「お姉ちゃん、それは黙ってて……。」


「そんなことを聞いてしまうと、手塚家に何か関係がありそうな気もするのだけれど、中川家と手塚家って何か関係あるのかな?」


 唯さんの質問は、ちょっと核心に迫っているような気もするのだけれど……。


「それに関して、俺も気になったので、父さんに聞いたんですけど、全然知らんと言ってました。まあ、知っていれば、セナちゃんのお父さんと話題になると思いますし。」


「そうよね。私もユキヤ君の家と接点があるとは思えないし……。これも恋愛読本を読めばわかるのかな?」


「わかると良いですね。春子さんのことを考えるとなんとなく、恋愛読本を読むということは、人の心を覗いているようで、罪悪感もありますね。」


「でも、この恋人獲得マニュアルは、春子さんが私たちを巻き込んだはずだから、何か伝えたいことがあるんだと思うよ。私には知る由もないのだけれど……。玲奈は、心当たり無い?」


 玲奈に目を向けると、少し驚いたような顔をしている。これは、何かを知っている顔だ。


「あるよ。もう伝えたいことはわかってる。」


 玲奈の言葉に、全員が驚く。


「そうなの!?」


 唯さんの驚きように、玲奈は何かを悟ったようにこう言った。


「今の反応で解った。3人ともマニュアルの最後までいってないね。最後までたどり着くと、春子さんが何をさせたいのかわかるよ……。今の言葉で、何をさせたいのかわかったよね?」


 そうか、春子さんは告白をさせたいのか。


「でもどうして告白させたいか、その理由はわからない。その秘密がこの日記に書いてあると思うんだよね。」


 玲奈の言葉に、以前よりもっと恋愛読本の内容が知りたくなった。俺とみんなの関係と、告白と、なぜ告白させたいのか、その秘密がすべてここに詰まっているということ。こんなに興味深い本はない。

 周りを見ると、玲奈が何かを考えているようだ。この中で、恋愛読本を読めるのは、千春さんと玲奈だけ、玲奈に関しては、最初にこの本を発見して、1人でコツコツと進めてきて、一番思い入れがある人物なのだと思う。自分が行ってきたものに対して、まだそこまで到達していない人に伝えると、楽しさや期待が無くなってしまったりする。そういうことに躊躇をしているのかもしれない。でも、玲奈は意を決したように口を開いた。


「みんなは、私がこの本に関することを言うと興味薄れる?」


「私は、薄れないよ。最後までやるつもりだし、それを知ったところでまだ読めないし。」


 セナちゃんの言葉に他の2人も同調する。


「そう。わかった。私、1つだけみんなに話していないことがあるの。それを教えるね。」


 話していないこと?最後の内容が告白以外に何かがあるってことなのか?


「最後の内容を認識した時点で、恋愛読本は読むことが出来る。」


 全員の視線が恋愛読本に集中した。

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