火照り
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主要登場人物
ユキヤ 主人公。隙があって鈍感。
かおり ユキヤの中学からの同級生。(実は小学校から。)
星奈 2年生 ユキヤの幼馴染。
唯 3年生 モデル並みの美貌の持ち主。
玲奈 1年生 ハーフ美女。留年している。金髪ゴリラ。
五日市先生(千春) かおりのお姉さん。
着替えを済ませた後、プールからそのまま温泉に行けるということなので、少し離れた温泉に行き、ゆっくり浸かる。やっぱり温泉最高です。
さっきの玲奈は、前にかおりがくっ付いてきた時の水着版な感じだった。かおりの時は、裸だったから眠れないレベルで興奮してしまったけど、玲奈は水着だからと言って、俺が興奮しないわけではない。どうして、こんな行動に出たんだろう?単にくっつきたかったからかな?もうマニュアルは終わっているわけだしね。マニュアルの最後の内容を、みんな分かっているような口ぶりだったけれど、実際のところはどうなのだろう。3人共、反応は全然違っていたし、もしかして、知らないと言うことはないだろうか。または、知っている人もいるし、知らない人もいるとか……。俺が考えて答えが出るわけではないけれど、恋愛読本と俺とかおり、そして3人の関係が分かれば、自ずと答えが出てくるのかな。恋愛読本は謎が多いから、みんなのマニュアルの内容とは別の意味で楽しめる要素があって、飽きないね。色々考え事をしていたせいで、随分と時間が経ってしまった。また、みんなを待たせてしまったかな?
火照った体に服を羽織り、若干汗ばみながらエレベーターに向かう。部屋の有る階に到着し、ふと周りを見てみるとこの階だけ部屋の数がかなり少ない。そう言えば、到着してから部屋の中を見て回っていないし、寝床である自分のベッドも、その存在くらいしか確認していなかった。これは、入ったら確認しよう、そう思い、部屋の呼び鈴を鳴らす。セナちゃんの声と共にドアが開いた。
「ユキ君、相変わらず温泉だとゆっくりだね。」
「うん。やっと満足です。」
「そっか。それならお父さんに頼んだ甲斐があったね。」
「俺、この部屋を少し見て回りたいから先に戻ってて。」
「いっしょに見ていい?」
「もちろん!」
まずは、俺の寝る部屋。入ってすぐのお風呂の反対側にある部屋だ。ドアを開けてみる。これは……。
「ベッドが大きい……。」
「ユキ君。これ2人用だよね?」
「キングサイズというのかな?この部屋って一体何人用なの?」
「よくわかんない。2家族はイケるとかお父さんは言ってけど。」
「お父さんは常連さん?」
「何回か来たことあるみたい。私もここは初めて。バーがなんたらとか言ってたけど、私にはよく解らなかったというか聞いてなかった。でもユキ君。」
「なに?」
「ここに一人で寝るの?」
「え?そのつもりですけど。」
「私と一緒はいかがですか?」
そんな誘われ方をすると、ついうっかりOKしてしまいそうです。でも、それは我慢。さすがに俺でも一線を越えてしまいそうです……。
「嬉しいけどダメです。色々とダメです。」
「嬉しいんだね。今はそれで十分。」
セナちゃんは微笑みながら返してきた。誰が一番とか決められない俺だけれど、さすがに好きな子と2人っきりで一晩過ごしたら何もしないでいられません。この火照った体も相まって想像するだけで、中腰になりそうです……。
「2人で何やってんのー?」
玲奈が顔をだした。
「あっ!このベッドいいなー!私もここで寝たいー!」
玲奈、今それを我慢してもらった人が、ここに居るんですよ。少し遠慮して……。
「玲奈、既に私が断られているから遠慮して。」
「私、だったら良いかもしれないじゃん。ね!てっちゃん?」
「お断りします。」
「なんでー!どうしてー!」
「どうしても!!」
「つまんない。」
いや確かに俺も、こんな素敵な誘いを断りたくはないのですけれど、それやったら色々と困るでしょう!さすがに俺でも色々といたずらしたいのです!
「手塚、そろそろ食事にしよう、って何やってるの?」
俺が葛藤していると、千春さんが顔を出す。助かった。これでこの話題から離れられる。
「先生!てっちゃんが私と寝るの嫌だって。」
「じゃ手塚、私と寝ようか。」
「はい!喜んで!」
「先生なら良いんかい!!」
2人から絶妙な突っ込みが入ったところで、楽しみにしていた食事の時間となった。
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