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恋愛読本。  作者: 半栖酒美斗
163/191

かおりのmission

お越しいただきありがとうございます。

今回は、かおりちゃんの主観になります。

ブックマーク・評価等いただけると励みになります。

お楽しみください。


主要登場人物

ユキヤ  主人公。隙があって鈍感。

かおり ユキヤの中学からの同級生。(実は小学校から。)

星奈  2年生 ユキヤの幼馴染。

唯   3年生 モデル並みの美貌の持ち主。

玲奈  1年生 ハーフ美女。留年している。金髪ゴリラ。

五日市先生(千春) かおりのお姉さん。


今日の私の目標は、佐々木さんにマニュアルを持ってもらって、変化があるかどうかを確かめること。しかも、本を返すリミットはバイトが終わるまでだから、僅か数時間。これは、気合入れて取り組まないと。幸い寺田さんも一緒だから、時間的な余裕もあるはず。でも休憩時間くらいしか観察できないかもしれない。そこに的を絞ってどうにか触ってもらわないとね。


「おつかれさまです。今日もよろしくお願いします。」


「よろしくお願いします。佐々木さん。」

「よろしくねー。」

 

 寺田さんと佐々木さん、私でテキパキと仕事を始める。3人とも閉店あがりなので、それまでに休憩は、10分休憩の1回。うまく合わせないと。


「あの、寺田さん。お願いがあるんですけど。」


「どうしたの?」


「今日の休憩、佐々木さんと取らせてもらっても良いですか?」


「もちろん大丈夫だけど、2人とも何かあった?」


「えっ?どうしてですか?」


「佐々木さんにも同じことを言われて……。わ、わたし嫌われてないよね??」


「大丈夫です。寺田さん大好きです!」


「良かった……。さっきから気になってしまって。」


 佐々木さん、私と休憩したいって何だろう。寺田さんと休憩をしたくないってことはないだろうし、私に用事でもあるのかな?クラス同じクラスだし、さっき学校で聞いてくれても良いのに、バイトの時間まで引っ張るなんて気になる。

 ディナーの混雑前に休憩に入るから、あと少し。ちょっと緊張してきた。


「じゃ2人とも、先に休憩お願い。」


 寺田さんの言葉に2人で返事をして、控室に行く。ルポでは休憩時間に、お茶かコーヒーを頂けるので、紅茶を頂いて、椅子に腰かける。素早く準備を始めなければならない。まずは、怪しまれないようにマニュアルを出す。表紙を確認するといつも通り、恋人獲得マニュアル。表紙を下にして、テーブルに出す。そんなことをしていたら、佐々木さんの方から話しかけてきた。


「あの、五日市さん。お伺いしたいことがあるんです。」


「はい。私が答えられることでしたら。」


 なんだかいつも以上によそよそしい。何を聞かれるのかな。


「あの1つ年上の同級生の方についてなんですけど、あの人は、手塚君と仲が良いのですか?」


「玲奈さんですね。ユッキーと玲奈さんは小学校からの知り合いだそうです。だから仲は良いですね。」


「五日市さんよりも……?」


「どうかな……。同じくらい。」


 どうしてそんな質問をするんだろう?気になる。


「佐々木さん、玲奈さんと何かあった?」


 ちょっと待って、このお話をしていたら肝心のマニュアルが出来なくなる。どうしよう……。


「私……。玲奈さんとお友達になりたい。」


「え?」


「学園祭の時に、手塚君と話す機会があって、その時に初めて会った時の言葉が私に刺さってしまって、はっきりしない私を正してくれるような気がするの。」


 玲奈さんならわかる気がするんだけど、この場を間接的に邪魔してますよ、玲奈さん!


「そうなんだ。ユッキーのクラスに今度一緒に行ってみる?」


「うん。お願いします。」


 よし。これで終わった、私の番。もう時間が!!


「佐々木さん、ちょっとごめん、これ持って私に見せて。」


「ん?いいですけど。」


 佐々木さんに持ってもらって、表紙を私に向けてもらった結果……。マニュアルのまま!


「あと、1ページ捲ってみて!」


 ページを捲った中身は……。白紙!これで、私の役割は終わりっ!


「ありがとう、佐々木さん!」


「え、うん。何だかわからないけど、戻りましょうか。」


 2人で控室を出て、寺田さんと交代した。何だか、もう焦ってしまって、何も隠さずやってしまったのが悔やまれる……。不思議に思わないでね、佐々木さん!

 しばらくすると、寺田さんが戻って来た……けれど、なんだか様子がおかしい。涙ぐんでいるのかしら?


「寺田さん、具合でも悪いんですか?」


「違うの、あのテーブルの上のノートはかおりちゃんの?」


「ええっと、違うんですけど、そうなんです。」


 はっきり言えないジレンマが……。


「涙無しでは読めないね。」


 えっ?マニュアルじゃない……?恋愛読本!!


「あの寺田さん、あの本の事は内緒なんです。なので内容もご内密に……。」


「うん。わかった。書いた人に会ってみたいくらい素敵な日記だったわ。」


 そんな事言われたら、私も読みたくなってしまいます……。でも、思わぬ結果も分かったから寺田さんに感謝しないとね。

色々考えるのは後にして、今日のところはmission complete!!

ご感想・レビュー・ブックマーク・評価、いただけると幸いです。

よろしくお願いします。

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