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恋愛読本。  作者: 半栖酒美斗
161/191

疑問

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主要登場人物

ユキヤ  主人公。隙があって鈍感。

かおり ユキヤの中学からの同級生。(実は小学校から。)

星奈  2年生 ユキヤの幼馴染。

唯   3年生 モデル並みの美貌の持ち主。

玲奈  1年生 ハーフ美女。留年している。金髪ゴリラ。

五日市先生(千春) かおりのお姉さん。


 昨日は、疲れていたことと玲奈の告白で、あっという間に寝てしまった。

 玲奈の話から恋人獲得マニュアルの全てが達成されたみたいなんだけど、最終の目的は、告白ということで良いのだろうか。かおりとセナちゃんは、自分の気持ちがはっきりしないから、それまで想いを伝えないような趣旨の言葉を言われたことがある。では、唯さんはどうなのかな?それに、玲奈はすべての事が終わったみたいだったけど、3人は終わっていないのだろうか。聞けば良いのだけれど、自分の好奇心での疑問なので、正直聞けないね。

 それに1つ判ったことは、マニュアルが最後まで終わったからと言って、何か変化があるわけではないってことだ。最後まで終わったら想い人と付き合えるとか、そういうファンタジーは今のところ存在していないし、これと言った変化は感じられない。考え方を変えてみて、春子さんが何かを教えたいとか、知ってほしい、伝えたい、そんな感じの目的があるのならば、答えは、恋愛読本の内容にある気がする。これだと今のところ読めるのは玲奈だけだし、俺が内容を知ることはできない。

 待てよ……。なぜ、俺はマニュアルを読むことが出来ないんだ?正直、自分が誰に恋をしているとか判らないし、佐々木さんとは、なんだか恋という感じではなかった。4人にもそう、4人とも好きだけれど、恋かどうかと問われると、明確な答えを用意できない。もしかして、セナちゃんと同じように、俺には戻っていない記憶でもあるのか?それとも別の理由で?

 悶々としていると、スマホが光っていることに気が付いた。セナちゃんからだった。内容は、暇していたらお茶でもどうですか?ということだった。もちろん暇なのでOKです。マニュアルのことも少し聞いてみたいしね。

 身支度を整え、来栖家に向かう。今日は、雨がパラついて昨日までの晴天が嘘のようだ。

 しばらく歩き、マンションに着くとエントランスで玲奈が待っていた。


「てっちゃん、おつかれ!」


「玲奈もおつかれ!」


 昨日のことで、玲奈と会うのが少しだけ怖かったけど、いつもと変わらずにいてくれてよかった。


「てっちゃん、着いて早々悪いのだけれど、星奈から、お茶菓子を買ってくるように言われているから一緒にコンビニ行こう。」


「OK!」


 来栖家のあるタワーマンションからコンビニまで3分くらい。あっという間だ。だけど、どうしても恋愛読本の事を知りたいという欲求から玲奈に話しかけた。


「玲奈、恋愛読本のことなんだけど。」


「てっちゃんは、そのことが気になってたんだね。」


「うん。いくつか腑に落ちないところもあって。」


「そうなんだね。実は私、一つだけみんなに黙っていることがあります。」


「そうなの?」


「そうなのです!でも教えません。」


「えー!どうして?」


「教えたら、今までのみんなの努力が無駄になるかもしれない。それに……。」


「それに?」


「昨日、星奈から聞いたんだけど、てっちゃんも恋愛読本が読めないんだって?」


「うん……。」


「じゃあ、だめだ。絶対教えない。」


「えー……。まあ、仕方ないか。でも俺、1ページ目すら出てないよ。」


「それは、何か理由があるのかも。私たちとは違うのかな?この辺りは、後でお話しよ。1時間くらいしたら、唯とかおりちゃんも来るから。あとね。私のマニュアルの内容と他の人とは内容違うよ。だから、そこを期待しても無駄ですよ。」


 これは、キスのことを言ってるのだろう。じゃあ、3人にはまだ続きがあるっていうことなのか……。なんだかちょっと怖い。


「そして、私も星奈もアイスが食べたいので買ったら早く家に行くよ!」


「わかりましたー。」


 玲奈に急かされ、さっさと人数分程度のお茶菓子とアイスを3つ買いこみ、来栖家に向かった。

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