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恋愛読本。  作者: 半栖酒美斗
160/191

完結

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主要登場人物

ユキヤ  主人公。隙があって鈍感。

かおり ユキヤの中学からの同級生。(実は小学校から。)

星奈  2年生 ユキヤの幼馴染。

唯   3年生 モデル並みの美貌の持ち主。

玲奈  1年生 ハーフ美女。留年している。金髪ゴリラ。

五日市先生(千春) かおりのお姉さん。


「おまたせ、みんな。」


 ここに来るまで玲奈は、一言も発しなかった。いつもなら、テンポの良い会話が続くのだけれど、あの出来事の後では仕方がない。変に気を遣うのも良くないと考え、話しかけないようにルポに向かった。

 

「いらっしゃいませー!あっ手塚くん。」


「あれ?佐々木さん、もうバイト?」


「そう、クラスは半日で終わる予定だったから、バイト入れてたの。土曜日だしね。」


 窓際のボックス席に案内され、全員、パンケーキとドリンクを注文した。やはり玲奈は、言葉少なでうつむきがちだ。気を遣わないと言えども気になって仕方がない。もう限界。


「玲奈、さっき話があるって言ってけど、どんな話?」


「ごめん、てっちゃん気を遣わせて。もう少しまってて、パンケーキ楽しみでお昼抜いちゃったから。」


「えっと、静かだったのはそのせいですか?」


「そうですが、何か?」


「いえ、すいません。」


 俺の心配は何だったんだろうか。やはり玲奈の言動と行動は良く分からない。スパッと告白してしまうところも玲奈らしいと言えば納得できる。


「おまたせしましたー!」


 佐々木さんがパンケーキを全員に配膳して、玲奈が口を開いた。


「話はね、マニュアルの事。でもちょっと待って、このパンケーキ美味しい。」


「玲奈がルポに来るの初めてだもんね。私達はよく来てるし、2人のアルバイト先だしね。」


 唯さんの言葉に玲奈が驚く。もしかして知らなかったのか?


「2人のアルバイト先って、さっきのあの子とてっちゃん?」


「ちがうちがう!私ですよ。」


「えっ!?かおりちゃんここでアルバイトしてるの?私もする!!」


「いやなんでやねん!」


 つい突っ込みを入れてしまった。みんな絶妙過ぎて笑っている。


「だって、好きな人と一緒に居たいって思わない?もう私、告白したからガンガンいくもん。」


 玲奈の言葉にどうやって返せば良いのかな?そう言う見方をしていなかったし、俺、みんな大好きだし……。優柔不断だな。


「てっちゃん、無理に答えを出さなくて良いよ。私は、自分がすっきりしたかった想いが今日、溢れてしまっただけ。私は、ずっと前からてっちゃんが好きだったからね。」


「そっか。玲奈、うれしいよ。ありがとう。でも、今はごめん、答えが出せないや。それでも良い?」


「うん!私の自己満足でごめん。でも今日すっきりした。」


 玲奈の顔がスッキリという言葉を物語っている。きっと他の3人は複雑なんだろうけれど……。


「それでね、ここからが本題。私、マニュアルの最後まで終わったの。」


「えっ?玲奈、それほんと?」


 唯さんが驚く。


「うん。だからきっと、私は恋愛読本が読めると思う。」


 今日、最後まで行ったということは、最後の内容は……。


「あの、俺が聞いて良いか分からないけど、最後のって、告白?」


「そうだよ。たぶん、みんなもわかっているはず。」


 3人を見ると、かおりはうつむき、唯さんはキョドリ、セナちゃんは俺を見つめていた。


「私は、再会したこと自体が奇跡だったからね。もう想いが溢れそうで、我慢出来なかった。てっちゃんは、3人のこと、気長に待ってあげて。きっとそれぞれだから。」


 玲奈の言葉に俺はうなづいた。俺も答えに時間が必要だと思う。今日、玲奈の告白にも返事が出来ないのだから。


「ユキ君。気持ちが固まったら、ちゃんと自分の口から言うから、それまで待ってて。」


「うん。わかった。」


「この話は、これで終わり!さあ食べよう!」


 玲奈の言葉と共にみんな気持ちを切り替えたようだ。でも、1つだけ気になる。それは……。


「玲奈、引きずってごめん。俺、1つだけ気になるんだ。それはね、恋愛読本の内容。」


「うん。私はまだ読まない。これはみんなで読みたいの。私が最初に始めたかもしれないけど、みんなてっちゃんへの想いは同じなんだ。だからね、私は、みんなで読みたい。」


「玲奈、みんなで読める時まで待ってて。」


 唯さんの言葉にみんなはうなずいた。俺は、こんなに魅力的な女性に囲まれて何て幸せなんだろうと思うと同時に、この中から1人何て選べる気がしない、そう感じていた。

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