やわらかい
お越しいただきありがとうございます。
今回は、ちょっとだけサービスです。
女の子から手を握られてみたい今日この頃・・・。
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お楽しみください。
主要登場人物
ユキヤ 主人公。隙があって鈍感。
かおり ユキヤの中学からの同級生。
星奈 2年生の先輩。ユキヤに付き合ってと言って保留にされている。
唯 3年生。モデル並みの美貌の持ち主。
五日市先生 かおりのお姉さん。
早朝に星奈から今日は休むと連絡があった。
「おはよう!ユッキー」
「かおり、おはよう。」
入学式以来の二人通学だ。
なんか緊張する。
「星奈さん昨日はどうだったの?」
「ちょっと調子悪かったみたい。」
「ユッキーも最近色々ありすぎて、ちょっとお疲れ気味?」
「そうかも。体調管理しっかりしないとな。」
毎日かおりと会っているから変化に敏感なのかな?
などと考えながら、電車を待っていた。
やはり、今日も満員の通学電車。
すくドアに押し付けられる。スルリと身をかわし、かおりをドア側に。
これが一番安全だ。見てくれは壁ドンだけど。
動き出すと、何やらかおりがうつむいて何かをしている。
鞄の持ち手が気になるのであろうか?
しばらくすると、俺の手にかおりの手が触れた。
どうしたのかとかおりの方を見ると目を合わさない。
「??」
電車が強めに揺れた瞬間。
かおりが俺の手を握った。
驚きで、奇妙な動きをしてしまった。
かおりを見ても、まだうつむいている。
少々パニック気味になっていたが、特に不審者もいないし
俺が手を握られている以外、何もない。
寧ろ、うれしいことなので、そのまま手を握っておいた。
やわらかくて気持ちいい、そんなことを考えていたら
俺の手は、若干、汗ばんでしまった。
電車を降りる時、自然に手が離れた。
つないでいたかったけど、学校近くは流石にまずい。
そんなことを考えながら、校門につくと、いつも通り
「ユッキー、またお昼ね!」
「うん。また。」
と何事も無かったように別れた。
一体どうしたんだろう。そんなことを考え自席に座ると
いつも通り、葵がやってきた。
「ユキヤ君、おはよう。」
「おはよう。」
「今日は初めての体育だけど、ユキヤ君はどうなるの?私たちと一緒?」
全くノーマークだった。そうだ、今日は体育だった。
先生からは何も言われていない。
俺一人の授業でも問題は無いけれど、
先生がそんなに沢山いるとも思えないし、
一抹の不安がよぎる。
「どうなんだろう・・・。後で聞いてみようかな。」
「そうだね。ユキヤ君、人気者だから注目浴びちゃうもんね。」
葵の言葉が、俺の不安を煽る。
珍獣は珍獣らしく、観念しよう。もうどうにでもなりやがれ。
そう考えているうちに、体育の時間となった。
「手塚。君は男子更衣室があるから、そこで着替えて校庭ね。」
「女子は、教室で着替えて、校庭に集合。」
やはり一緒だった。
男子更衣室は、ロッカーが沢山あり、
男子の入学見込み人数が期待されていたことがわかった。
結果1人ですけどね。
すばやく着替え、校庭に向かった。
校庭に出ると、想像通り全員の注目を浴びる。
それ以上に、俺もみんなを見まわしてしまった。
やっぱりこのクラスは、かわいい子が多いしスタイルも良い。
これはキツイ。男子的にキツイ。
そして、まさか五日市先生が体育教師だったとは・・・。
目のやり場に困る。本当に困る。
今日は初めての体育いうことで、軽く体操とランニングということだった。
先生の言われた通りに、体操する。
男子にとっては、かなり軽いものなので余裕だ。
「じゃ二人一組になってー!」
なんですとー!!
二人一組って、かおりもいないのに俺は誰と!?
周りがざわつきだす。葵が走り寄ってくるのが見えたところで、
「手塚は、私とねー。」
先生か。助かっ・・・てないよ!
大人の女性なんて、同級生より緊張してしまう。
「男子と思っていいぞー。」
先生。それは無理です。
先生に背中を押されストレッチ。
痛いのに心理的に痛くない。それどころではない。
そんなことを考えていると、先生が小声で言った。
「手塚、いつもかおりと遊んでくれてありがとう。
毎日、たのしそうに君の話をしてくるよ。」
「いえ、こちらこそいつも助かってます。
男一人で、孤立するところだったのに初日から一緒に居てくれたから
本当に感謝してもしきれないです。」
「かおりと、これからも仲良くしてやって。」
言葉は少なかったが、姉妹仲の良さが伺えた。
俺には、先生もありがたい存在だ。
そんなことを考えていると。
「固いな手塚。私も本気で力を入れるか。」
先生が背中を強く押す。
あれ?なんか感触がやわらかい。
先生、身体を使って押してますよね?
これは、少年には刺激が・・・。
「どうしたー?手塚―もっとやわらかくなれんのかー?」
先生、俺で遊んでないか?
これは刺激が強すぎる。
やわらかいものが押し付けられ、これは下半身に悪・・いや良い
けど授業中はだめだ!!と己との闘いが始まる。
そのあとも、ジャンプしたり走ったりで
やわらかいところが揺れる、揺れる。
目のやり場が・・・。もう無になろう・・・。
身体をほぐすどころか、どっと疲れながら
体の一部が固くなるのを堪え、体育は、終了した・・・。
もう落ち着きたい・・・
と考えながら、あまりにも長い午前の授業が無事?終了した。
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