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恋愛読本。  作者: 半栖酒美斗
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告白

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主要登場人物

ユキヤ  主人公。隙があって鈍感。

かおり ユキヤの中学からの同級生。(実は小学校から。)

星奈  2年生 ユキヤの幼馴染。

唯   3年生 モデル並みの美貌の持ち主。

玲奈  1年生 ハーフ美女。留年している。金髪ゴリラ。

五日市先生(千春) かおりのお姉さん。


「今日は、昨日より沢山売れるね。もうそろそろ終わりそう。」


 かおりの言葉に、食材を確認してみるともう殆ど残っていない。あと数10分で全部終わってしまう勢いだ。天気が良くて、気候は良いのだけれど、みんな汗だくで作業をしているので早く終了するのは好都合かもしれない。


「ユキ君、焼き通しだけど大丈夫?」


「うん。平気。後でアイス食べたいくらいかな。」


「そうだね。この調子だと15時には片付けも終わりそうだから、ルポでお茶しよ。」


「疲れているから食事は家の方が良さそうだしね。」


 今日も目標は、ルポのパンケーキに決定だ。さっさと売り切って、片付けしよう。もくもくと作業を続けていた時、かおりが不安そうな顔で近づいて来た。


「ユッキー、玲奈さんところに居るお客さんが……。」


 目を向けると、何やら話をしている。こちらから玲奈の表情は見えないけれど、男の表情は良く分かる。これはナンパしているな。焼く係をかおりに任せ、前に出た。 

 玲奈の斜め後ろに立ち、耳を傾けるとやはりただのナンパだった。しつこく連絡先を聞いている。ここで問題を起こす訳にはいかないので穏便に納めないと。そう思い玲奈の横に来た瞬間。


「私、この人が好きなんです!だから誰とも付き合いません!」


 そう言って、腕にしがみつかれた……。呆気に取られる、男と俺。男はたこ焼きを2パックオーダーし、俺が手渡しすると、一礼して去って行った。意外にも律儀な人だった。


「ごめんてっちゃん、つい勢いで。あっ、でも本気だからね。」


 玲奈を見ると、顔が真っ赤だった。そうか、俺は、今までひどい勘違いをしていたようだ。だいぶ前から想っている人がいるようだったから、勝手に納得していたけれど、その相手は俺だったのか。


「ねえ玲奈、ちょっと聞いていい?」


「今はダメ!心と体が忙しいです。」


 なんか言葉遣いもおかしくなっている。これは後にした方が良さそうだな。

 落ち着いて、3人を見てみると、意外に平然としていた。そうか、気づいて無かったのは俺だけだったんだ……。そりゃ鈍感って言われても無理はないね。


「ユキ君、切り替えて接客ね!」


「うん。がんばるっす。」


 セナちゃんが話しかけてくれたおかげで、少しだけ気がまぎれた。それからはひたすら接客して、予定より大分早く全部を売り切ることが出来た。トラブルが起きたら嫌だなと思っていいたけれど、結局、玲奈の1件だけで済んだ。大事件だったけど……。

 売り切った喜びも束の間、さっさと片付けに入った。今日は、終わった時点で先生に断りを入れれば帰宅できるので全員黙々と作業をする。途中、機材をお借りたお店が取りに来てくれると言う事で来てもらったり、余ったパックは、他のクラスが使うとのことで、ほぼ手ぶら状態にすることが出来た。ちなみに業者さんは、女子高に入りたかっただけと言って感動していた。女子高の男子って、結構きついのに……。

 片づけ終わると、各自教室に帰って担任の許可を取ってから部室に待ち合わせすることにした。


「玲奈、行こ。」


「うん。」


 さっきの出来事があってから、ちょっとだけ気まずい。お互い意識してしまうよね。


「てっちゃん。後で話があるんだけど。」


「うん。2人の時が良いんだよね。」


「いや、みんないる時で良い。みんなにも関係あることだから。」


「わかった。」


 いつもより静かな玲奈と一緒に教室に戻ると、既に教室も片付けられていて、生徒もまばらだった。荷物を持って、職員室に向かう。

 職員室に行くと千春さんが居たので、帰宅の許可を貰いに行く。


「大繁盛だったらしいね。売り上げ凄すぎだよ。」


「もうちょっと掛かると思ってたんですけど、これはメイドさん効果ですね!」


「私も、10歳若かったら着たかったわ。」


「今度、是非よろしくお願いします!」


「ふふ。じゃお疲れ様!」


 笑顔で見送る千春さんに一礼し、部室へと向かった。

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