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恋愛読本。  作者: 半栖酒美斗
156/191

宣戦布告

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主要登場人物

ユキヤ  主人公。隙があって鈍感。

かおり ユキヤの中学からの同級生。(実は小学校から。)

星奈  2年生 ユキヤの幼馴染。

唯   3年生 モデル並みの美貌の持ち主。

玲奈  1年生 ハーフ美女。留年している。金髪ゴリラ。

五日市先生(千春) かおりのお姉さん。

「佐々木さん……。」


 笑顔の佐々木さんが目の前に立っていた。


「となり座っても良い?」


「うん。」


 久しぶりの佐々木さんは、クラスで出し物でもしているのか、いつもと違いポニーテールだった。とても魅力的で緊張する。


「今ね。たこ焼きを買いに来たんだけど、休憩中だったからちょっとガックリしちゃったんだけど、手塚君が居たから話しかけちゃった。ごめんね。」


「俺も退屈してたところだから大丈夫だよ。1時間くらい休憩になってるから、それ以降なら焼くからね。」


「じゃ、1時間、手塚君を独占だね!」


 ドキッとする言葉を言うところは、中学時代からあまり変わってないな。きっと俺みたいに勘違いする男も多かっただろう。と言っても俺のは勘違いではなかったのだけれど。


「佐々木さんのその言葉に惑わされた男子が多数屍に。」


「何言ってるの。手塚君くらいとしか中学時代に、お話してないよ。」


「またまた、そんな。」


「本当だって。五日市さんにでも確認すると良いよ。なんか私のこと聞いてたみたいだったから。」


 ん?かおりは何か探りでも居れてたのかな?まあ、この辺は仕方ないかな。


「手塚君は、学校楽しい?」


「うん。楽しいよ。ただ、男子1人だから憂鬱なことも多いんだけどね。」


「そうなんだ。ちょっと聞いても良い?」


「なに?」


「どうして、初春に入学することにしたの?」


 これを聞かれると……。まあ、相手は中学時代に一番仲のよかった女子だし、言ってもいいか。


「女子に囲まれ、たのしい学生生活を送りたかったから……。と言ってもまさか1人とは思わず、逆に肩身の狭い思いを……。」


「ははっ!手塚君らしくないことするからだよ!」


「確かに。そこまで女好きでも無かったようです……。」


「そうだよね。手塚君、そういうタイプじゃなかったもん。」


 佐々木さん雰囲気が変わった。


「手塚君。私ね。学校辞めようと思うんだ。」


「どうして!?」


「私、志望校落ちちゃって、高校に入って手塚君が居たから、ちょっと頑張ろうと思ったけど、クラスは違うし楽しくないし。大学行く目標だけを追うなら、高卒認定でも良いかなって。」


 確か、佐々木さんは看護師になりたいって言ってたけど、今の話を聞いていると挫折って言葉が目の前を踊ってる気がする。これは止めるべきだと思う。でも、佐々木さんは俺に何かの期待をしているんじゃないか?言葉に迷いがあるような……、それなら。


「佐々木さん。高校辞めちゃいなよ。」


「え……。」


「佐々木さん、なんだか前の佐々木さんと違う。良い言葉が見つからないけど、前はもっとスジが通ってた。こんな短絡的な結論を出すことはしなかった。俺の知ってる、佐々木さんは……。俺の好きだった佐々木さんは、もっと魅力的に夢を話していたよ。」


「てづかくん……。」


「ごめん。私、やっぱりあなたに嘘は付けない。私は、あなたの気を引きたかっただけ。だって私は、中学の頃からずっとあなたのことが好きで、一緒の高校に入ろうと努力してきた。志望校は同じはずだったのに、落ちて落胆してたら、何故かあなたが居て。でも、遠いの。中学の頃よりずっと遠い場所に居るの。周りには、もっと近い女子が居て……。辛いの。遠くであなたを見ているのが辛いの。」


 佐々木さんの気持ちは分かってる。振ってはいるけど、嫌いな訳じゃない。でも。俺はどうすれば良い?セナちゃん、かおり、唯さんが居て、佐々木さんも居るというのは、なんだから物凄く優柔不断のクソにしか思えない。俺は、どうすれば……。


「てっちゃんの好きにすればいいじゃん。」


 目を向けると玲奈が立っていた。


「手塚君、この方は?」


「来栖先輩と中川先輩の従姉妹で、ローズ玲奈さん。一つ上の同級生。」


「てっちゃん1つ上は余計。」


「すいません。」


「てっちゃん、私たちに遠慮してるでしょ?」


「えっ?」


「唯と星奈、かおりちゃん。あなたに気があるから他の女子と仲良くしないというのは、変な気を遣われているようで嫌。」


「でも……。」


「男ならシャキッとしなよ。私は別に気にしない。てっちゃんが誰と仲良くなろうともね。最後に笑えれば良いんでしょ?私はそこを目指すわ。だって同じ男を好きになった同志だもの。」


 同志かよ。やっぱり金髪ゴリラは言うこと違うわ。


「そうだね。玲奈、俺が変な気を遣ってただけだった。佐々木さん、学校辞めるのはなしで。つまらなかったら俺のクラスに遊びに来なよ。そう知らない仲ではないんだしさ。好きとかそう言うのの前に、俺と佐々木さん友達だったはずだよ。」


「そうだね、手塚君。ありがとう。あと、玲奈さん、私も負けません!他の3人にもあなたにも。」


「てっちゃん。大変だね。モテる男はつらいねぇ。」


「なーに言ってんのよ。」


「じゃ手塚君、私そろそろ行くね!あとで買いに行くからー!」


 そう言って、佐々木さんは去って行った。

 そう言えば、さっきから気になってたんだけど、玲奈もライバルみたいな感じで言ってたな。玲奈は小学校から好きな人がいるからひどい勘違いだと思うんだけど。そんなことを考えながら、玲奈と2人で他の3人を待つことにした。

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