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恋愛読本。  作者: 半栖酒美斗
153/191

ライバル

お越しいただきありがとうございます。

今回も星奈の主観です。

ブックマーク・評価等いただけると励みになります。

お楽しみください。


主要登場人物

ユキヤ  主人公。隙があって鈍感。

かおり ユキヤの中学からの同級生。(実は小学校から。)

星奈  2年生 ユキヤの幼馴染。

唯   3年生 モデル並みの美貌の持ち主。

玲奈  1年生 ハーフ美女。留年している。金髪ゴリラ。

五日市先生(千春) かおりのお姉さん。

「玲奈。私たちはホッペとおでこ……。」


「えっ、そうなの?それでも良かったのか。私、見たのがもう何年も前だったし、ずっとくちびるにキスしないといけないんだと勘違いしてた。」


「なんて羨ましい勘違いと行動力なの……。」


 唯の言う通り、私なんて不意打ちなのにほっぺだし、何だか、羨ましいやら悲しいやらでなんとも言えないわ。


「軽く触れただけだし、雰囲気も全然だったからてっちゃんは、何とも思ってないかもだけどね。私は、ドキドキして眠れなかったけどさ。」


「ねぇ玲奈。ユキヤ君のことは何時好きになったの?」


 私も唯と同じことを聞きたいと思っていた。金髪ゴリラとか言われていたみたいだし、あまり好きになる要素は無かったと思うんだけど。


「何度か道場で会ってたんだけど、私には悪態ついたり、金髪ゴリラだとか言っていたんだけど、年下の子の面倒見がすごく良くてやさしいの。だからみんなに好かれてたね。私は周りの人と話すのが苦手だったんだけど、てっちゃんの周りには何時も沢山の人が居て、憧れてたんだよね。そのくらいの頃から好きだったよ、今までずっと。だから、学校に戻ってきて、席に着くときに前の席に座っていたから驚いちゃった。だからもっと愛想よく挨拶すれば良かったと帰ってから悔んだわ。」


 ユキ君、前から変わらないね。みんなにやさしい、でもそんな態度に私たちはソワソワしてしまうのです……。


「私だけ、高校になってから好きになったのね。なんかハンデを感じる……。」


 唯のハンデが良く分からないけど、とりあえずマニュアルを部屋から持ってきて、玲奈に渡してみた。やはりマニュアルのままで、中身も書いてあるようだった。


「私のマニュアル、結構進んでた。ずっと前に本気になって達成しようとしていたから、なんだか懐かしい。唯と星奈がてっちゃんと仲良くなっていてくれて良かった。全く縁なんて無いと思っていたから、私にもチャンスが到来したのは感謝しかないよ。」


「まあ私的には、ライバルが増えたのでとっても複雑だけど、こればっかりは仕方ないと思ってる。ちなみにかおりちゃんもライバルよ。」


 唯の言葉に玲奈が固まった。


「かおりちゃんまで……。あの子は強敵すぎる。」


 いや敵なのか。でも、敵と言えばそうなのかな?考えても仕方ないことだし、決めるのはユキ君だから。


「でもユキヤ君モテるから、見えないライバルを加えると一体何人いるのやら……。」


 唯の言葉に深くうなづく。しばらくユキ君の話題で盛り上がり唯のお迎えが来た段階で部屋に戻った。

 玲奈の言葉を思い出す。軽いとは言え、本当にキスしたのは玲奈だけ。なんだかとっても羨ましい。ユキ君のくちびるの感触なんて想像出来ない……。想像出来ない?あれ?なんだか記憶の奥底に感触の記憶があるような……。


「あー!!」


 私、子供の頃、ユキ君とキスしてる!しかも何度も!子供の時とは言え、キスしたことには違いない。玲奈の話が気になって居たから、少しだけ気が楽になった。小さい頃の私は、明るくて積極的だった。あの事故の日から、消極的で大人しくなったんだと思う。絶望してしまったから。何に絶望したのか、それは最愛の人が目の前から消えてしまったことが原因。でも、その人は生きて私の前に現れた。私は、消極的で大人しくしている切っ掛けも理由も存在しなくなった。それならば、少しづつ昔の自分、明るくて積極的だった星奈に戻ろう。

玲奈や唯、かおりのように、魅力的な女性になれるように。もう一度、ユキ君に少しづつ近づけるように。

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