表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
恋愛読本。  作者: 半栖酒美斗
15/191

キッチンとカップ

お越しいただきありがとうございます。

ハーレム最高!とか男子なら考えることもあると思いますが、

実際は、かなりキツイ状況だと思います。

私は異性に囲まれたら空気になる・・・。

評価等いただけると励みになります。

お楽しみください。


主要登場人物

ユキヤ  主人公。隙があって鈍感。

かおり ユキヤの中学からの同級生。

星奈  2年生の先輩。ユキヤに付き合ってと言って保留にされている。

唯   3年生。モデル並みの美貌の持ち主。

五日市先生 かおりのお姉さん。

「ユッキーおはよう!」

「おはよう、ユキヤ」


「おはよう!」


最近の朝の癒しだ。

教室では、珍獣は腫れ物だからな。

まだ、みんな寄ってくるけど、そのうち落ち着くだろう。


いつも通り、駅に着き満員の通学電車に詰め込まれる。

このところかおりは、前よりちょっと密着が控えめになった。

ちょっと残念のような、安心のような。

くっついていることには変わりないので至福な時なのは変わりない。


学校近くに来ると違和感を感じる。

星奈の歩みがいつもより少し遅い気がする。


「星奈、どうかした?」


「大丈夫、なんでもない。」


なんだろう。具合でも悪いのか?心配だ。


「じゃまた、お昼に。」


いつものように別れ、各自教室に向かった。」



昼になり、部室に行くとかおりと星奈がマニュアルを見ていた。

そうだ。昨日、見る予定だったのをすっかり忘れていた。

かおりがまじまじとマニュアルを見つめていて、俺の存在に気づいていない。


「何が書いてあった?」


俺が声を掛けるとかおりが驚いて言葉にならない声を上げた。


「ユッキー!脅かさないでよ。」


「あっごめん。でもちょっと前から居たのですが。」


「・・・ご飯たべよ。」


気になる。すごく気になる。

聞いてよいだろうか。聞いたら怒られないだろうか。


「ユキヤ。かおりのマニュアルも私のように、1ページ増えてた。」


星奈。俺の心が読めるのか?


「で、内容は?」


「言えない。まだ教えられない。」


かおりが答える。期待通りの答えだ。

言い難い内容なのだろう。

星奈が教えてくれたのはイレギュラーなんだろうな。


「おまたせー。」


唯さんが遅れて現れた。


「お先に頂いてまーす!」


「あの、今日暇な人いる?俺、カップが無くて買いに行きたいんだけど。」


「ごめん私、ちょっと用事が。」


「私も、華道のお教室なの。」


「私は、大丈夫。一緒に行こ。」


星奈が付き合ってくれるので良かった。

一人だとセンスの欠片もないものを買うところでした。


「じゃ今日の活動は無しね!活動なしでも自由に使ってね!」


学校にいつでも使える落ち着く場所があるのは助かる。

特に俺みたいな珍獣にはちょうど良い。


食事が終わり。

退屈な授業も終了。


放課後。

星奈が教室まで迎えに来てくれた。


「お待たせ、星奈。」


「うん。」


星奈は、4人で居る時はそこそこ話すのに

外だと口数が少なくて、大人しい。

この子が “私と付き合って” と言うのにどれだけ勇気が必要だっただろう。

そんなことを考えながら、駅前の雑貨店に向かった。


「星奈。言いにくいんだけど。」


「どうしたの?」


「カップ、選んでくれないかな。俺、センスなくて。」


「カップを選ぶのにセンスも何もないよ。」


そう言ってほほ笑む星奈。


「使い心地が良さそうなカップを探せばいいの。」


星奈のアドバイスを聞きカップを探す。

色々な種類がある中、ちょっと気になるカップがあった。


「これなんてどう思う?」


ちょっとアウトドアな感じのデザイン。

重めだけど、シンプルで長く使えそうな物だ。


「ユキヤに似合ってると思うよ。」


良かった。ほめられたみたいでちょっとうれしい。


「じゃこれにする。」


会計を済ませ。

星奈と一緒に帰る。


朝から気になっていたが、歩みが遅い気がする。

ちょっと頬も赤らんでいるかも。


「星奈。具合悪い?」


「ちょっとだけ、でも大丈夫。もう帰るし。」


「送ろうか?」


「大丈夫、ありがとう。」


「家に無事着いたらラインして。」


「うん。」


駅で別れそれぞれの帰路についた。


俺が家に着いて約10分後、星奈からラインが入った。

無事についたようだ。

でも明日は、休むかもしれないと。

その時は全員にラインすると入っていた。

しっかり休むよう返事を入れ、それ以上の返信はしないようにした。


俺は、珍しくキッチンに立ち、新しいカップを綺麗に洗った。

明日からおいしいお茶を飲ませてくれるだろう

星奈が認めてくれたカップなのだから。


ご感想・レビュー・ブックマーク・評価お待ちしております。

よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ