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恋愛読本。  作者: 半栖酒美斗
148/191

買物

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主要登場人物

ユキヤ  主人公。隙があって鈍感。

かおり ユキヤの中学からの同級生。(実は小学校から。)

星奈  2年生 ユキヤの幼馴染。

唯   3年生 モデル並みの美貌の持ち主。

玲奈  1年生 ハーフ美女。留年している。金髪ゴリラ。

五日市先生(千春) かおりのお姉さん。

 ターミナル駅には、女性向けのファッションを中心としたお店が無数にある。男物は全然ないのはどこの街でも同じだけれど、それにしても様々なブランドがあり、男の俺には全然わからない。


「ユキヤ君。どんなブランドが良いと思う?」


「唯さん、俺、全然わかりません。」


「だよね。歩きながら気になるお店を教えて。もちろん玲奈もね。」


「わかった。」


玲奈は、なんとなく緊張している感じだ。もしかしたら、自分の好みがあるのだけれど、他の人の反応がこわくて、言い出せないのかもしれない。これは、全然傾向が違うお店を俺から誘導した方が良いのかもしれない。

 それから俺は、大人っぽいブランド、子供っぽいブランド、いかにもギャルっぽいブランドを勧めて回ってみる。でも、玲奈の反応はイマイチ。うーん。なかなかむつかしい。そんなことを考えながら歩いていると、玲奈がチラチラ見る方向があることが分かった。もしかして……。


「玲奈。ここなんてどう?入ってみる?」


「うん。」


 そうか、こういう服が着たかったのか。

 ここのブランドは、ガーリーな感じで俺でも知っている。どちらかというと10代向けで、女の子っぽい。かおりとも星奈とも違う感じで、可愛らしい服が多い印象だ。玲奈が着るとお人形さんみたいに可愛くなりそう。

 お店に入ると、玲奈は他のお店の時とは違い、色々と見て回っている。本当は、このお店に入りたかったんだね。


「ユキヤ君、ありがとう。私、気づかなかった。」


 唯さんが小声で伝えてきた。


「玲奈は、小さい頃からこういうの着たかったのかもしれないですね。今でも十分に似合いそうだから、じっくり付き合いましょう。」


 玲奈は、色々と吟味して、試着しては俺たちに見せ、あれやこれや選んでいて楽しそうだ。こういう玲奈を俺は見たかったんだな。


「ねえ、てっちゃん!これはどう?」


 ヒラヒラした感じのブラウスに、こちらもちょっとヒラヒラした感じのミニスカート。でも下品な感じではなく、可愛らしい感じ。とってもよく似合ってる。


「うん。可愛いよ。良く似合ってる。」


「これ買う……。」


 こんな感じで、可愛らしい服を数着ご購入。結構はお値段だが、お嬢様なので問題無さそう。唯さんの反応を見ても、全然動じていなかったので、このお嬢様方には至って普通のお値段のようだ。俺には無理ですけどね。

 同じように靴もご購入。靴はなんにでも合わせられそうな、ちょっと踵の高めなものを2足と普通のスニーカーを買った。しかし、俺の試練はここからだった……。


「てっちゃん、もうちょっと付き合って。」


 そう言って玲奈は、俺の手を引き、お店に入った。こ、ここは……。


「下着売り場じゃん!」


「うん。そうだよ。どんなのが似合う??」


 このパターンは全く予想していなかった。唯さんの方を見ると、何故か自らも選んでいる……。これは俺に選べと言うことなのか!?


「あの、俺が選ぶの?」


「当然!」

「当然!」


 そうなのか……。やられっぱなしも良くないので、たまには仕返ししておかないと。ベッドの下の本で仕入れた知識を終結する。


「わかりました。唯さん、サイズはいくつ?」


「えっ?それは……。」


「だって、サイズが分からないと、選べないじゃないですか。玲奈も。」


「私は、65のD。」


 玲奈が普通に答える。これは、俺の本では最高のスタイルに位置しているサイズだ。とつい凝視してしまう。


「てっちゃん。見過ぎ。」


「私は、65のC……。」


 この二人はどんだけスタイルが良いんだ?俺の本知識では、そこまで細くて、そのカップは殆どいないって書いてあったぞ。

 という訳で、しっかりと吟味し、玲奈には可愛い下着を、唯さんにはエッチな下着を勧める。玲奈はともかく、唯さんの反応は、ちょっと挙動不審になっていて面白かった。


「ユキヤ君の趣味って、わからない……。」


「あっ唯さん、今度、見せてくださいね!」


「……うん。」


 良い反応頂いたので、唯さんへの反撃はこれで終わりにしておこう。玲奈は、ルンルンで会計を済ましていた。これで、ミッションコンプリートかな?


「ユキヤ君。今日はありがとう。私のまで、選んでもらっちゃって。」


「良いんです。俺も楽しかったです。唯さんの良い反応見れましたし。」


「エッチ。」


「てっちゃん。本当にありがとう。私、こういうの着たかったの。」


「良く似合ってたよ。今度、見せてね!」


 3人で帰路に就く。途中で唯さんと別れ、俺たちの最寄駅へ。2人になると途端に玲奈が無口になる。俺の家に行く分岐に近づくと。


「てっちゃん。今日は本当にありがとう。あとこれお礼。」


 そう言うと、背伸びをして俺の唇に軽くキスをしてきた。驚いて、固まってしまった。でもこの感覚は……。星奈に似た感じだ。もしかして、マニュアル始めてる??


「玲奈、マニュアルやってる?」


「えっ?何それ?」


「いや、知らなければ良いんだ。」


「?」


「お礼、ありがとね!」


「うん。てっちゃん!また明日!」


 そう言って、玲奈と別れる。マニュアルをやってなくて、このお礼はやっぱりアメリカ生活のなせる業か。ファーストキスでは無いけれど、びっくりしてキョトンとしてしまったのは失敗だった。そんなことを考えながら家に着き、少ししたら玲奈からラインが来ていた。でっかいハートマークと共に、お家ついたよ、とのことだった。玲奈は、まだ仲良くなって間もないからイマイチ理解できていない。しばらくは調子を狂わされそうだ。

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