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恋愛読本。  作者: 半栖酒美斗
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地味

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主要登場人物

ユキヤ  主人公。隙があって鈍感。

かおり ユキヤの中学からの同級生。(実は小学校から。)

星奈  2年生 ユキヤの幼馴染。

唯   3年生 モデル並みの美貌の持ち主。

玲奈  1年生 ハーフ美女。留年している。金髪ゴリラ。

五日市先生(千春) かおりのお姉さん。

「実は、玲奈の荷物が大幅に遅れていて、服が全然足りないの。」


「そんなに物流が困難なところだったんですか?」


「そうじゃなくて、玲奈が荷物を纏めてなかったということで……。」


「だって、私、あんまり洋服持ってないし。今の服で十分なんだもん。」


「そう玲奈は申しておりますが、ユキヤ君はどう思いますか?玲奈の服。男の子的目線で遠慮なく言ってあげてください。」


 そんなこと言われても、確かに玲奈の見た目を完全にダメにする服装だ。かおりみたいな服とか、星奈みたいな服を着せたら、道を歩くだけで注目を浴びるレベルだと思うんだけど。


「玲奈、正直に言うと、地味。もっと女の子っぽい服装の方が絶対似合うと思うよ。」


「てっちゃんが言うなら……。」


 玲奈は、そう言うと、うつむいてしまった。この見た目とこの仕草が全然マッチしていないんだよな。違和感でしかない。なんだろう。


「玲奈は、日本かぶれのお父様に影響で、若干、斜め上な解釈をされた大和撫子なの。」


「斜め上……。」


「そう、だから文武両道なんだけど、全体的に地味。服装もかわいい服とか着たことないから、恥ずかしくて自分で買えない。女子には人気だけど、男の子とは全然話せない。これは、私達、従姉妹全員そうだけど……。私と星奈で買い物行っても何も買おうとしなかったし、ということで、箱入り娘に慣れてるユキヤ君にお買い物の付き添いをお願いしているのです。」


「唯の言い方がちょっと気になるけど、言ってることは間違いないです……。てっちゃんお願いします……。」


「俺に何の協力が出来るか分からないけど、暇だし、行きましょうか。ところで唯さんその恰好では行かないですよね?」


いつも通りの部屋着なので若干不安を覚える。さすがにこのアニマルプリントはヤバい。


「着替えます!ちょっと待っててください!」


 そう言って、恥ずかしそうに部屋を出て行った。玲奈は、スタイル良いし、顔なんて、日本人とアメリカ人の良いとこ取りみたいな美形と可愛いの中間だから、何を着せても似合うと思うんだけどな。


「てっちゃん、ジロジロ見られると恥ずかしいのだけれど……。」


「あっごめん。ちょっと考え事してたから。」


「星奈の言う通りエッチなのね……。まあ、嫌いじゃないけど……。」


 そこで頬を赤らめないで。なんかこう、熱くなる部分が出てくる……。


「ところで玲奈は、どんな服がほしいとかあるの?」


「私、星奈のところ来てから初めてファッション誌とか見たから、どんなのとか全然わからない……。スカートも制服とフォーマルなのしか持ってないし。靴もそんな感じだし。」


 あれだけ初春のちょっとエッチな制服が似合っているのに、スカートを持っていないとはけしからんな。星奈よりも、ちょっとかおり寄りの服を着せたらよく似合うんじゃないかな。見た目が注目を浴びてしまうのは、仕方がないとして、やっぱり女性として、おしゃれを楽しむくらいでないと、本人もつまらないよね。


「ところで、ご予算は?」


「お父様にカードを渡されているから、いくらでも良いって。」


お父 “様” 。やはり、お嬢様か。あの金髪ゴリラからは、想像できない言葉だな。そう言えば、空手やってた頃は、ほとんど話をしたことがないな。俺からは、クソッ金髪ゴリラが!とかしか言ってなかった気がする。


「じゃ、何着か買っても問題ないんだね。しっかり荷物持ちするよ。」


「うん。でも、荷物持ちじゃなくて、ちゃんと選んでね!私に似合う服!」


 そう来たか。結構な大役なんだけど……。なんだかちょっと割に合わない気がしてきた。これは、少しくらい困らせても良いよな。


「じゃ玲奈、俺にご褒美お願いね!買ったりしたものは無しだよ!帰りまでに考えておいて!」


「えっ、ご褒美……。うん。考えておく。」


 ちょっと困惑しているみたいだけど、これくらいは良いよね。楽しみにしておこう。


「おまたせー!じゃ行こう!」


 唯さんがいつもと違って、かわいい感じの服装を着ている。この服装も参考にしておこう。

 妙に気合の入っている唯さんとジーンズ姿の玲奈、実に微妙な組み合わせで、ターミナル駅に向かった。

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