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恋愛読本。  作者: 半栖酒美斗
146/191

ファッションショー再び

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主要登場人物

ユキヤ  主人公。隙があって鈍感。

かおり ユキヤの中学からの同級生。(実は小学校から。)

星奈  2年生 ユキヤの幼馴染。

唯   3年生 モデル並みの美貌の持ち主。

玲奈  1年生 ハーフ美女。留年している。金髪ゴリラ。

五日市先生(千春) かおりのお姉さん。

 クラスのメイドカフェは、やはり衣装に関して、苦慮している。最初、手作りにしようと考えたらしいけど、作れる程の技量がある人が少ないので却下。購入しようとしたら、透けたりしないちゃんとしたものは価格が高く、手が出ないということで却下になった。これにより、メイドというキーワードが厳しいという意見が強くなりつつあり、最近の傾向では、普通のカフェに落ち着きそうだ。みんなのメイド姿が見られないのは残念だけど、4人のメイドは確定しているし、クラスでやらない方が、メイドさんが売るたこ焼きがたくさん売れる気がする。

 一方、たこ焼き屋は、かおりがメイド長に相談したところ、大量の衣装を貸していただけることになり、その中に俺の執事衣装があったため、執事で焼くという大役を仰せつかることになった。そして、貸して頂いたメイド服がまた、色々ありすぎるため中川家に一旦集められ、4人で相談したが、決まらず……。結果、俺も混ざって決めるというどんな顔して良いかわからないけれど、嬉しすぎるイベントが今日の午後に行われることになった。

 女子達は、早めに唯さんの家に行くという事なので、1人で向かう。ここのところの残暑は厳しく、真夏並みの暑さだ。


「いらっしゃいユキヤ君。」


「こんにちは。」


 唯さんは、もう既にメイド服でドヤ顔をしている。これは何かしら感想を求めている顔だ……。でも、可愛いとか似合ってるという月並みな感想で良いのかな?


「良く似合ってますね!かわいいです。」


 思いっきり月並みな感想を言ってしまった。


「ありがとう!」


 唯さんには、喜んでもらえたみたいでよかった。でも、これから何着も見る訳だから、幾つも感想は用意できそうにない……。

 いつもの部屋に案内されると、既に3人とも着替えていた。デザインもそれぞれで、これは甲乙つけがたい。


「あの、既に甲乙つけがたくて、俺が見たところで、決められる自信がないのだけれど……。」


「確かに、ユッキーの言う通りかも。私たちでも分からない……。」


「色々着てはみたんだけど、正直、決められないというか、どれも良いというか。」


 星奈の言葉に、3人もうなづく。これは、各々の好みで決めてもらった方が良いかも。


「みんな気に入った服ってあるの?」


「一応あるにはあるんだけど、被っているというかなんというか。」


「唯さん、それだけ俺が決めてあげるのは有りですか?」


「どうだろ。玲奈、それでもいい?」


「OK!てっちゃんが決めてくれるなら文句ないわ。指定しないから、私に似合うの選んで。」


「これ。」


「えっ、即答?」


「うん。これを着てほしいと、ここに着いた時から思ってた。」


「……着てくる。」


 玲奈はそう言うと、立ち上がり廊下に出て行く。玲奈と誰が被っていたんだろう。


「ホントはね。被っていたんじゃなくて、玲奈がすごく迷っていたの。彼女、いつもジーンズとかアクティブな服装で、ヒラヒラしたのは持ってないの。だから、本人の口からは言わないけど、ユキヤ君に選んでもらいたかったみたい。」


 あれだけ可愛ければ、どんな服でも似合うと思うんだけど、そんな事情もあったのか。可愛い服を欲しいと思わなかったのか、それとも、何か理由があって持ってないのか。それによって、何かしてあげないといけないかもな。


「おまたせー!てっちゃんどう?」


 俺の選んだ服は、袖もフリルが付いてて、フリフリな感じなんだけど、色が黒では無くて、茶系で、玲奈っぽいイメージだなと思ったものだった。あと、着てもらったら、スカートが短めだったのも気に入った要素だ。


「うん。想像通りで可愛いよ。」


「ホント?うれしい。これにします。かおりちゃんお借りします。」


 他の3人は、黒系だけれども、デザインが異なっていて、唯さんの来たものは、前にかがむと胸の谷間が見えそうな感じの切れ込みが入っていて、大人っぽい。星奈は、一番大人しめなデザインなんだけど、スカートの内側が凝っていて、ふわっとした感じ。かおりは、バイトでいつも着ているからか、玲奈の着ているものの黒バージョンのような感じで、スカートが短いけど、それがまたかおりっぽい。4人共、それぞれの個性を生かした感じのメイド服だ。しっかり目に焼き付けておこう。

 結局、選んだのは玲奈だけだったけれど、みんな可愛いってことを再確認できる充実した時間だ。


「ところでユキヤ君、これからちょっと時間ある?」


「大丈夫ですよ。何かあります?」


「実は、玲奈の買い物に行くのだけれど、付き合ってもらってもいい?」


「荷物持ちですね。良いですよ。」


「荷物持ちって訳じゃないけど……。」


 星奈とかおりは、予定があるということで、俺と唯さん、そして玲奈で買い物に行くことになった。この時、これから起こる出来事を俺は想像できていなかった……。

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