スッキリ
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学園祭・・・。たのしみ。
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主要登場人物
ユキヤ 主人公。隙があって鈍感。
かおり ユキヤの中学からの同級生。(実は小学校から。)
星奈 2年生 ユキヤの幼馴染。
唯 3年生 モデル並みの美貌の持ち主。
玲奈 1年生 ハーフ美女。留年している。
五日市先生(千春) かおりのお姉さん。
「ところで唯さん、学年主任が退職するって言ってたんですけど、何か知ってますか?」
「それなんだけど……。」
唯さんは、何か知っていそうだ。でも、退職っていうと人1人の人生が掛かってるわけだから、ちょっと尋常じゃないよね。
「実は、お父さんから聞いたんだけど、パワハラで訴えられたらしいの。」
「そうなんですか?訴えられるって、学校に訴えがあったとかですか?」
「私も、詳しい名前は、分からないのだけれど、国の機関に訴えられて、その影響で、夏休み中に、学校の労務というの?それがちゃんとしているかどうか、立ち入り検査が入ったんだって。」
「そうなんですか。それでなぜ退職に?」
「その時、調査に入った切っ掛けが、学年主任が行った、陰湿なパワハラだったそうなの。ちゃんと録音したものや、他にも証拠品が有って、退職というよりも解雇?クビになったそうなの。」
「そんなに色々やってたんですか?」
「うん。中にはお金にかかわることも有ったりして、相当悪いことをしていたみたい。だから、私がお父さんに相談する頃には、ものすごい大ごとだったよ。」
正直居なくなって良かった人材だったんだ。千春さんが俺に言ってきた時には、もうその兆候があったんだね。千春さんの悩みが解消されそうで良かった。
「ユキ君。ホッとしてるね。」
「うん。これに関しては、気になってたし、千春さんの顔を思い出すと胸が痛くてね。」
「てっちゃん、やさしいね。」
「ホントに。ユッキー、お姉ちゃんのために、色々ありがとう。」
「俺、何にもしてないけどね。」
「女の子は、話を聞いてもらえるだけで、スッキリするものだよ。」
「そうなんだね。」
俺は男だから良くわからないけど、女子は話を聞いてもらったり、背中を押してもらったり、泣いたりするとストレスが軽減するって聞いたことがある。俺も、それを許容できるくらいの男にならないとね。
「ねぇユッキー、学園祭の後に連休あるの知ってた?」
「えっ?知らない。なんで?」
「学園祭が金、土でしょ?で、月曜日から水曜日まで学校が続けてあるんだって。それで、創立記念日とくっ付いて、木曜日から日曜日まで休み。」
「知らなかった。」
「それでね。星奈さんと話してたんだけど、また旅行行きたいなって。」
「行く!」
「ユキヤ君。即答!」
唯さんが微笑みながら、俺を見つめる。この笑顔に弱いんだよな。
「星奈、次は何処に行くの?」
「最初に行った旅館がいいかな。少し涼しくなったから星空がもっときれいだよ。」
「たのしみにしてるよ。玲奈も行くでしょ?」
「私も行って良いの?」
「えっ?逆にだめなの?」
思わず聞いてしまった。もうサークルメンバーだと思ってたんだけど、玲奈はそう思ってなかったのかな?
「行く……。うれしい……。」
玲奈は涙をボロボロ流しながら喜んでいた。そこまで喜ぶことなのかな?
「私は、あまり旅行って行ったことが無くて、いつも星奈と唯のことうらやましかったの。お父さん日本語だめだしね。」
「そうだったんだ。じゃ玲奈もたのしまないとね。」
「うん。てっちゃんと組手する。」
「嫌です。」
「断るんだ。ひどいね。女子の頼みなのに。」
「うん。無理です。」
「ケチ。」
「そこのケチは、どうなのですか星奈さん。」
「玲奈、寝る場所はじゃんけんで決めるんだよ。」
「絶対、負けない!」
これは、俺と寝たくないのか、それとも寝たいのか、当日までの楽しみにしておこう。
「もちろん千春さんも来るよね?」
「うん。昨日聞いたら行くって。なんだかスッキリした顔だったから、私もちょっと安心した。」
「俺も安心したよ。心配だったからね。いつもお世話になってるし。」
「てっちゃんの話を聞いてると、先生のクラスになって楽しみが増えたよ。私、綺麗な先生好きだし、色々教えてもらいたいしね。」
「良い先生だよ。俺が保証する。」
学園祭のたのしみと、その後の旅行。二つの楽しみが増えて、これからの学園生活も楽しみで仕方ない。唯さんにとっては、最後の高校生活だし、玲奈にとっては復学して、まだ慣れない中で、楽しみを模索している最中だろうから、俺も気合を入れないとね。
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