表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
恋愛読本。  作者: 半栖酒美斗
144/191

ポイント

お越しいただきありがとうございます。

玲奈、この子を出すのがどれだけ楽しみだったか。

ブックマーク・評価等いただけると励みになります。

お楽しみください。


主要登場人物

ユキヤ  主人公。隙があって鈍感。

かおり ユキヤの中学からの同級生。(実は小学校から。)

星奈  2年生 ユキヤの幼馴染。

唯   3年生 モデル並みの美貌の持ち主。

玲奈  1年生 ハーフ美女。留年している。

五日市先生(千春) かおりのお姉さん。


 3限目が始まったが、先生が来ない。現代社会の授業になったはずなのだけれど……。

ぼーっと先生を待っていると、背中をトントンされた。


「先生、来ないね。どんな先生なの?」


玲奈が興味深げに聞いてくる。そうか、玲奈はまだ、会ったことがないんだった。


「学年主任の先生。何というかその、グチグチと言ってくる感じかな。」


「あー!なんか聞いたことあるよ。パワハラ教師でしょ?新任の先生が何人も辞めて、去年、中等部から高等部に異動してきたって。私は習ったことないけど、中等部から有名だったよ。」


 そうなんだ。千春さんも被害を受けていたみたいだし、どこにでもそういう人って居るんだな。そのうち、見たことの無い人が教室に入ってきた。


「今日から、皆さんの現代社会を担当します、星野です。石井先生が都合により退職されることになりましたので、急遽担当することになりました。これからよろしくお願いします。」


 何が起こった?もしかして、唯さん辺りが動いたのか?もしそうであれば、一言くれると思うのだけれど。お昼に聞いてみよう。

 変わった先生は、尖った感じが全くなく、平穏な授業をする先生で、クラスは静まり返っている。前の殺伐として雰囲気が無くなって良かった。


 授業が終わると、いつも通り、そそくさと廊下に出た時に、俺を呼び止める声が聞こえた。すっかり玲奈のことを忘れて、出てきてしまった。


「ごめん、玲奈。忘れてた。」


「ひどいな、てっちゃん。泣きそうになったぞ。」


ホントに涙を浮かべてるものだから、そんな仕草が可愛くて、ちょっとドキッとしてしまった。


「いつもどこで食事してるの?」


「大体は部室だよ。」


「そう。みんな来る?」


「多分もう、唯さんは居るはず。一番近い教室だからね。」


 部室に到着すると、3人とも集まっていて、お茶の準備も終わっていた。


「玲奈、何飲む?」


「星奈と同じで良いよ。ありがとう。」


 この2人、同じような雰囲気を感じるんだよね。性格は違うんだけど、心遣いが同じというか、端々に育ちの良さを感じる。


「ユッキー、玲奈さんと仲良くやってる?」


「玲奈は、既にクラスの人気者だよ。昨日とは大違い。」


「あれは、てっちゃんのおかげ。」


「中等部の時から人気だったって聞いたし、生徒会長だったって。」


「うそ!すごい!私には、絶対無理だわ。」


「元同級生から言わせると、若干、先生のごり押し感はあったよ。うるさかったから、黙らす為の荒療治。」


「玲奈、そんなにうるさかったんだ……。」


「私、ガヤガヤうるさい訳ではないんだよ。たまに正論をぶつけてしまっていて、それならば、あなたやりなさいと言う事になって収まりが付かず、立候補する羽目になったのです。」


「何となく、今の玲奈からでも想像出来る気がする……。」


「それはどういう事でしょうか、てっちゃん。」


あっこの感じは、星奈とかおりに通じるものがある。あかんやつや。


「いえ、なんでもございません。すいません。」


「よろしい。」


 玲奈も怒ると恐そうだし、回し蹴りとか飛んで来たら避けられる気がしないな。スカートが捲れるんだったら我慢するけど。


「てっちゃん。あまりジロジロ見られるのは緊張するのだけれど。」


 確かに凝視しすぎた。玲奈とは仲良くなったばかりで、どうしても視線が行きがちになってしまうから意識するように気を付けよう。


「ところで、2人のお弁当は星奈が作ったの?」


「ううん。今日は玲奈が作ったよ。」


「玲奈、お弁当作れるんだ……。」


「てっちゃん。何か私に恨みある?なんだか、自然に出てきていると思われる言葉が、てっちゃんの私に対するイメージを物語ってるんですけど。」


「重ね重ね、申し訳ございません。こういってはイケないと思うのですが、やはり小学校の時のイメージが強すぎて、おしとやかな感じがどうも、定着しておりません。ごめんなさい。」


「正直でよろしい。では、これからそのイメージを払拭して差し上げましょう。覚悟しておきなさい。」


 玲奈の言葉に圧倒されている俺を見ながら、みんなが笑っているのが、今日のイラっとポイントだったことは、話が拗れるので黙っておこう……。

ご感想・レビュー・ブックマーク・評価、いただけると幸いです。

よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ