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恋愛読本。  作者: 半栖酒美斗
143/191

人気者

お越しいただきありがとうございます。

習い事、少年少女には特別だったりします。

ブックマーク・評価等いただけると励みになります。

お楽しみください。


主要登場人物

ユキヤ  主人公。隙があって鈍感。

かおり ユキヤの中学からの同級生。(実は小学校から。)

星奈  2年生 ユキヤの幼馴染。

唯   3年生 モデル並みの美貌の持ち主。

玲奈  1年生 ハーフ美女。留年している。

五日市先生(千春) かおりのお姉さん。

玲奈と2人で話しながら教室に入ると、俺達の声が目立ったのか、一斉に注目をあびる。確かに、昨日までの大人しい玲奈ではなくて、明るくノリの良い玲奈になっているのだから注目をあびるのも無理はない。

気にしないように、自席に行く。


「手塚君、ローズさんと仲良いんだね。」


琴宮さんがいつも通り話かけてきた、これは玲奈のイメージを変えるチャンス。


「実は、小学校の頃やってた習い事で何度も会っていたのが分かって、共通の話題が多かったし、話しやすかったから、すぐ仲良くなったよ。」


「そうなんだ。ローズさん。私とも仲良くして!」


「オーケー!オーケー!よろしくね!」


昨日と打って変わって、軽いノリだ。でも、ホントの玲奈はこっちなんだと思う。全然違和感がないし、自然に出てくる言葉がなんだかおもしろい。


「手塚君は知らないと思うんだけど、ローズさんは中等部の時、下級生からすごく人気があったんだよ。私も憧れてたなぁ。頭も良くて、生徒会長もやってたし。」


「えっ!そうなの!?玲奈が!?」


「いや失礼ね、てっちゃん!私だってやる時はやるのよ!先生にやれと言われたからだけど。」


そんな話をしていると、段々と人が集まってくる。珍獣と外人がつるんでいるのが物珍しいのか、話にも入ってくるし、玲奈も楽しそうに話をしている。もう孤立したりは無さそうで、安心した。


「はーい!授業はじめるよー。」


千春さんがやってくる。あれ?今日の1限は、あの学年主任の授業のはずだけど。


「今日は、ちょっと予定を変更して、3限目の授業と変わって体育から始めます。みんな着替えちゃって!手塚は退出。」


「ちは、先生。ちょっと待ってください。荷物まとめないと。」


素早く荷物をまとめ、教室を出る。授業の入れ替わりなんて初めてだ。どうしたんだろう。

校庭に出ると、全員揃っていた。男子更衣室、俺の部屋だけど遠すぎるんです。玲奈はもう孤立していないだろうけど、気になるので探していると、向こうから俺の方にやってくる。


「てっちゃん。2人1組なら一緒にやろう。」


「ちは、先生が相手してくるかもだけど。」


「あの綺麗な先生?いつも一緒にやってるの?」


「そう。かおりのお姉さん。」


「え!?かおりちゃんのお姉さんなの?旅行に一緒に行ったとは聞いてたけど、あんな綺麗な人だったとは。」


 みんな、先生という重要な情報を忘れてますよ。かおりのお姉さんってことしか伝わってない……。


「じゃ!2人1組になって。手塚は……。今日はパートナー付きだからいいか。」


「ローズさんとやります。」


「ローズさん手塚に気をつけてね。」


 千春さん。俺の何に気を付けるのでしょうか……。一応健全な男子高校生です。


「2人か……。組手?」


「いや玲奈。それは無理。」


「冗談です。さっきから先生のことをチハって何回か言ってるけど、なに?」


「普段は千春さんって呼んでるから、つい癖で。」


 玲奈に小声で伝えた。


「てっちゃんの周りは。本当に美女が多いな。私の親戚もかおりちゃんもかわいいし、さっきの女子もかわいかったし。ホントにモテモテなんだね。」


「玲奈だって、相当な美女だけど。」


「え……。さ、さて、体育!体育!」


 玲奈の顔が真っ赤だ。これで小学校時代ならゴリラそのものだったんだけど、今は全然ゴリラじゃないし、当時、金髪ゴリラって呼んでいたけど、今見ると全然金髪じゃなくて、少し明るめの茶色だよな。当時の俺、ホント何にも見てないな。


「てっちゃん……。あんまり見られると恥ずかしい……。」


「あっごめん。」


 無意識に見つめてしまった。

恥ずかしがる玲奈は、俺の知っている金髪ゴリラとは程遠く、可愛らしい女性へと成長していたことを実感する。そんな魅力的な玲奈と密着している授業が楽しすぎて、あっという間に体育の授業が終わってしまった……。

とても残念だが、次の体育の授業を楽しみにすれば良いかと無意識に自分を慰めていた。

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よろしくお願いします。

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