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恋愛読本。  作者: 半栖酒美斗
142/191

ゴリラ

お越しいただきありがとうございます。

女性は成長により全然変わるのです!

ブックマーク・評価等いただけると励みになります。

お楽しみください。


主要登場人物

ユキヤ  主人公。隙があって鈍感。

かおり ユキヤの中学からの同級生。(実は小学校から。)

星奈  2年生 ユキヤの幼馴染。

唯   3年生 モデル並みの美貌の持ち主。

玲奈  1年生 ハーフ美女。留年している。

五日市先生(千春) かおりのお姉さん。

「おはよう!てっちゃん!」

「おはよう。ユッキー!」

「ユキ君。おはよう。」


 とうとう3人もお迎えが来るようになってしまった。母さんの視線が痛い。もう慣れるしかなさそうだ。

 電車に乗ると、3人ともくっ付いてきた。これは、最高過ぎる。そして視線が痛すぎる。俺、早死にかもしれない。


「てっちゃんは、もう空手やってないの?」


「えっ?どうして知ってるの?」


「私、小学校の時に空手の大会で対戦してる。」


 対戦?確かに男女混合だったから対戦していたかもだけど、俺と対戦したような女子って相当強くないと当たらなかったような……。待てよ。この髪の色。もしかして!


「あの金髪ゴリラ!!」


「ゴリラとは何よ!失礼ね!あなたにゴリラ、ゴリラ言われたからちゃんと女の子になったんだからね!!」


 思い出した……。玲奈は、俺が空手を習っていた時に、俺が負けまくっていた金髪ゴリラと呼んでいた1つ上の女子だ!前はもっとゴリラだったのに……。


「ユキ君。女の子にゴリラは失礼よ。ゴリラだけど。」


「星奈までゴリラ言うな!!」


 かおりが笑いで肩が小刻みに揺れている。まあ、確かにゴリラばかり言っていれば笑うか。しかも、この美女に向かってゴリラだもんね。さすがに俺も失礼だわ。


「ごめんごめん。すごく可愛いくなったよ。前は完全にゴリラにしか見えなかったけど。」


「ありがと。でも、ゴリラ余計。」


「玲奈ちゃん、そんなに強かったの?」


 かおりが不思議そうに聞く。そりゃそうだ。とても空手やっていたようには見えないからな、今は!


「強かったよ。俺、何度も負けたもん。勝ったのは高学年になってからだね。」


「もう勝てません。ちゃんと女の子なんですからね!」


「わかった、わかった。ゴリラはもう言いません。」


「よし。許す。そう言えば、てっちゃん。私、唯の家には行かないことにしたの。星奈の家にお世話になる。タワーマンション気持ちいいし。てっちゃんと一緒に通えるしね。」


「そうなんだ。星奈の家がにぎやかになるね。」


「うん。ちょっとうるさい。」


「いいじゃない。星奈が大人しすぎるのよ。」


「玲奈、随分明るくなったね!元気そうで良かった。」


「私は前からこんな。アメリカが肌に合わなかっただけだよ。バカにされたから廻し蹴りしたら、避けられまくって……。もうアメリカ行かない。」


 そうなんだ。廻し蹴りしたんだ。それが原因だわ。


「てっちゃん、あれだけ負けず嫌いだったんだから、中学はグレてたの?」


「人聞きの悪いこと言うな!暴力はふるいません!空手やってたことを知ってるのも極一部だよ。」


「そうなんだ。残念。」


 いや残念って、もう女子相手は無理だから。


「それより玲奈、ユキ君にくっつきすぎ。」


「いいじゃない。かおりちゃんも星奈もくっついてるんだし。」


「……。」


 星奈が押されている。これは初めての展開かも。


「前はなんかモッサリしてたのに、カッコよくなってるし。そりゃ、くっつきたくもなるよ……。」


「ねえ。かおり、みんな俺のことをモッサリという言葉で表現するんですけど、そんな感じだった?」


「うん。モッサリしてたね。今は違うけど。」


「老けてるとかモッサリとか、君たち結構ひどいよね!ホントひどいよね!」


「ユキ君。私は行ったことないよ。言ったのは唯。」


「唯さん……。今度仕返しするわ。」


「てっちゃん、どうやって仕返しするの?」


「んー。どうしよ?」


「相談乗るぜ!てっちゃん!」


「頼むぜ!玲奈!」


「ねえ、かおり。この2人。昔から友達だった?」


「たぶん、違うと思う……。」


「にしては、同性の友達にしか見えない……。」


 新しい仲間が加わって、楽しく、そして気持ちのよすぎる通学時間は、校舎に入るとともに終了した。

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