入部
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主要登場人物
ユキヤ 主人公。隙があって鈍感。
かおり ユキヤの中学からの同級生。(実は小学校から。)
星奈 2年生 ユキヤの幼馴染。
唯 3年生 モデル並みの美貌の持ち主。
玲奈 1年生 ハーフ美女。留年している。
五日市先生(千春) かおりのお姉さん。
ローズさんから入部の申し出に、俺以外が困惑していた。そんなに問題ってあったかな?星奈と唯さんの親戚だし、俺みたいに好奇な目で見られそうなところもあるから寧ろその方が良いと思うんだけど。
「玲奈、少し待ってもらっていいかな。ちょっとユキヤ君と相談したい。」
唯さんがそう言うと、星奈がローズさんを連れ出した。
「ユキヤ君。玲奈は入部したいと言っているのだけれど、どうかな?」
「えっ?俺ですか?俺は問題ないですけど。むしろ唯さん達が何かあるのかと思ってたんですが……。」
「え?いや、ほら、だって、女性不信だって。」
「そう言えば、そうですね。不思議とローズさんには不信感がなかったので気にしてませんでした。全然OKですよ。」
「そう。良かった。玲奈はあんな見た目だから注目も浴びるし、さらに事情はさておき、留年してるからね。私たちも心配してたの。」
「そうなんだ。気にしないで大丈夫です。」
「じゃ星奈達を呼ぶね。」
ほどなく星奈とローズさんが新しい椅子を持って戻ってきた。席に座るとローズさんは俺に話しかける。
「手塚さん、先ほど星奈から聞きました。色々あったんですね。でも、その佐藤さんって昨日お話してた方ですよね。」
「そうです。改めて謝罪を受けただけですけどね。もともと怒りは無かったので、少し話をして終わりにしました。」
「そうなんですね。結構、厳しめのことを言っていたような気がします。」
「一応ね。期待はしてませんけど、今日いろいろと学園祭のことで意見を言ってくれたので、彼女なりの償いかなと。本当に反省していると思って、気にしないことにします。」
「私も、アメリカでのことは忘れて、この学園を楽しもうと思います。日本に来てから、星奈に夏休みの話を聞いてとっても羨ましかったので……。ところで、手塚さんは私とも会ったことがあるの覚えていますか?」
「いえ、全然。子供の頃ですか?」
「1回だけ星奈と一緒に公園で遊びましたね……。その後も……。」
覚えているような、いないような……。あの頃、いろんな子達と遊んでいたからな。星奈は何時も居たし、2人の事も多かったから覚えてるけど、1回じゃわからないな。
「全然、覚えてない……。」
「そうですよね……。」
「玲奈が入部するということで、少し話が有るのだけれど。」
唯さんが鞄から何かを出しながら、話をしてきた。
「実は、部員が5人になると部活として申請できることになるの。このままサークルでも良いのだけれど、どうする?メリットは部費が出る!!」
部費。魅力的な言葉だ。でも部活になると部員が増えることも考えられるし、どうなのかな。
「唯さん、私サークルのままで良いです。だって、部員増やしたくないし。このメンバーだから良いんだもん。」
かおりが珍しく、素直な意見を出してきた。特別な場所なのかもしれないな。俺にとってもそうなんだけどね。
「うん。みんなもそれで良い?私は、そう思ってたから、一応聞いただけ、ユキヤ君狙いの女子生徒が増えても困るしね。」
「手塚さんは、そんなに大人気なんですか?」
ローズさん。俺からは答えにくい質問です。
「モテモテだよ。ホントにモテモテ。あらゆる人からモテる。」
星奈。そんなにモテモテ言われても全然うれしくありませんよ。
「そうなんですね。大人っぽいからかな。」
「ローズさん、俺、そんなに老け顔ですか?」
「玲奈、そこ聞いちゃダメなポイントよ。覚えておいて。」
「唯さん、俺に聞こえてますよ……。」
「うふ。ところで、学園祭の話に戻しましょう。タロットということで良いかしら?」
「俺は良いのですけど、タロットって女子の間では人気ではないんですか?すごく集中してしまうような気がするんですけど。」
「私が、やる程度だから、そんなに来るかなぁ。」
「かおりがやるけど、他人から、かおりの技量はわからないじゃない。だから、来てしまうと大変な気が……。」
「確かに。ユッキーの言う通りかも。星奈さん。もう少し考えてみましょ。出し物はやるとしても、内容は後でも大丈夫ですよね?唯さん。」
「うん。大丈夫。この部屋を使用する分には、何時でも変更できるから、1人増えたところで、全員で考えてみましょう。」
占いは一時保留として、全員で考えることになる。学校行事は、いつも消極的だったけど、唯さんの最後の学園祭だし、ローズさんも加入したから、積極的に参加しないと。
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