工作活動
お越しいただきありがとうございます。
大分書きたまってきたので、今後は不定期に更新いたします。
お楽しみください。
主要登場人物
ユキヤ 主人公。隙があって鈍感。
かおり ユキヤの中学からの同級生。
星奈 2年生の先輩。ユキヤに付き合ってと言って保留にされている。
唯 3年生。モデル並みの美貌の持ち主。
五日市先生 かおりのお姉さん。
終業のベルが鳴り、初サークルの時間になった。
「ユキヤ君また、明日ねー!」
「じゃね!佐藤さん」
先生にほうきを借り、話しかけ難い雰囲気を演出しつつ
足早に部室棟に向かう。
「お疲れ様!ユキヤ君!」
「こんにちは唯さん!」
「この洗剤とかはユキヤ君が持ってきてくれたの?」
「そうです。要らなかったら持って帰りますんで。」
「いいえ、これすごく助かってる!ありがとう。」
「良かったです。」
「そしてユキヤ君は、ほうき係ではないので、そこの軍手を付けてください。」
「?」
ひたすら隣の倉庫に要らない荷物を運ぶ。
そのうちに星奈とかおりも合流し、3人は部屋の掃除、
俺は、荷物の移動とゴミ捨てを担当した。
「随分きれいになったね!ユッキー!」
見違えるように綺麗な部室になった。
そして、運よく視聴覚関連の荷物のなかに比較的新し目なノートPCと
大き目の液晶テレビがあり、ありがたく設置させてもらった。
「ユキヤ、パソコン得意?パソコンをネットに繋げてほしい。」
「OK!その辺は数少ない得意分野だよ。」
運良く、学内のwifiが飛んでおり、先生に聞いたところ
サークル活動に使用しても良いと、返事をもらった。
「これでつながったよ。星奈。」
「ありがとうユキヤ。頼もしい・・・。」
ほめられる経験が少ないため、猛烈に照れてしまった。
「ユッキー・・。顔赤いです。」
敬語のかおりは怖い。
ここ最近の経験でよくわかったことだ。
刺激しないようにしよう・・。
「さて、ほとんど終わったし、お茶にしましょう!」
「お茶?」
「今日、私が家からセットを持ってきたの。
カップは各自、持ってきてね!だから今回は、紙コップ。」
さすが唯さん用意周到だ。尊敬に値する。
そして、お茶がおいしい。これは何というお茶なんだろう?
「今日は、ダージリン?」
「さすが、星奈。当たり!」
「ダージリンもおいしい。今度私にもいろいろ教えてください。」
かおりがうれしそうに言った。
この3人は、見ているだけで癒される。
他の人が入ってこないことを切に願う。
「サークルのことなんだけど。」
一息ついたところで唯さんが口火を切った。
「みんな、このサークルの人数を増やしたくないという意思があるのを
昨日、確認させてもらったから、ちょっと強引な方法を取りました。
マニュアルのこともあるし、私もこれは自分の責任でもあるので
誰にも知られたくない・・・守りたい秘密なのです。
だから、サークルの名簿からこのサークルを除外してもらいました。
これには、ユキヤ君の力を借りました。」
「俺の?」
「そう、唯一の男子であるユキヤくんが落ち着ける場所を提供したい。
そのメンバーは、仲の良いかおりちゃんと星奈、私が一緒に帰っている事実と
いつもお昼を一緒に過ごしている事実を確認している人が相当数いたので
生徒会もすぐに認めてくれました。まあ、学校も懸念してたみたいだしね。」
それ、まだ数日なのに有名だったんだ・・・。
女子おそるべし。
「あと、ちょっと理事会の方にも根回しをしちゃいました。」
「唯のお父さん、理事。」
「マジか!?」
「てへ。」
「なので、サークルであって、サークルにあらず。部員を増やす時は
ユキヤ君含め全員の許可が必要としました。ちなみに辞めるのは自由です。
勝手なことしてごめん。でもこれしか良い方法なかったの。」
「唯さんがこんなに動いてくれていたなんて・・。ありがとうございます。
俺も出会いは唐突だったり、驚きの連続だったけど、今は居心地がすごく良くて
まだ数日だけど、大切にしたいと思っていたから、すごくうれしいです。」
「ユッキー!これでお昼もここでとれるね!」
「そっか!助かる!」
「ではみなさんにカギを配りまーす!無くさないでね!」
唯さんからカギを受け取り、大事にしまった。
掃除に結構な時間がかかった為、今日はここでお開きになった。
でも、4人で帰るのでサークルの継続みたいなものだ。
ハーレムとか言っておきながら、実際入ったら珍獣扱いで
ホント居心地が悪かった。
でも、この場所とそのきっかけを作ってくれた3人を大切にしたい。
そんなことを考えながら、入学してまだ数日なのに
ずっと前から一緒に居るような友達と楽しく帰路についた。
この時、全員忘れていた。
かおりのマニュアルを確認するということを。
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