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恋愛読本。  作者: 半栖酒美斗
139/191

緊張

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主要登場人物

ユキヤ  主人公。隙があって鈍感。

かおり ユキヤの中学からの同級生。(実は小学校から。)

星奈  2年生 ユキヤの幼馴染。

唯   3年生 モデル並みの美貌の持ち主。

玲奈  1年生 ハーフ美女。留年している。

五日市先生(千春) かおりのお姉さん。

 授業という名の学園祭の催し物を決める会で、恐れていた事態になった……。


 俺のクラスでの出し物はメイド喫茶に決まった。それ自体は問題ないどころか、むしろ歓迎したいレベルだ。みんなのメイド姿を見たいし、ローズさんのメイド姿なんてお願いして着てもらいたいくらい。決まった時は、俺は自分の役割が裏方に決定したということだと思い心の中でガッツポーズをしていた。だが、現実は酷だった。俺は、裏方ではなく、執事をやることになってしまった……。この話が出た時、琴宮さんと何故か葵が、いつも視線を浴びている俺が不憫なのでという意見で反対してくれたのだかが、大多数の賛成意見に押され、俺の意思に関係なく、やったことどころか、見たこともない執事という何とも言えない役割を与えられてしまった。いつも以上に、好奇な目にさらされると思うと、憂鬱でしかないが決まったことは仕方がない……。来たばかりのローズさんも、いきなりこんな役回りは、ちょっとかわいそうだ。

とりあえず、反対してくれた2人には、次の休み時間にお礼を言っておこう。




「2人とも、俺のことを気遣ってくれてありがとう。」


「そんなことより、大丈夫?」


 琴宮さんの言葉に少し不安になるが、そこは強がってみる。


「大丈夫。もう、成るようになれだよ。」


「私たちが協力できそうなことがあったら言って。」


 葵の意外な言葉に驚いたけれど、彼女なりの償いなのかもしれない。笑顔で返して、次の授業が始まった。始まったばかりの授業は、宿題の提出とポイントの整理。退屈な作業なだけに、学園祭のことを考えてしまい憂鬱になる。授業が終わった後も、教室で少しぼーっとしていた。少し自分なりに消化しておかなければ、サークルで出し物をなんていう無理を言ってしまいそうだ。3人に迷惑を掛けるのだけは避けたい。落ち着いた頃に部室に向かおうと思うんだけど、ローズさんはどうすれば良いのだろう?サークル員ではないけれど、俺が連れて行けば問題ないのかな?1人で帰ってもらうのも悪いし、一緒に行くことにしよう。


「ローズさん、今日、これから空いてます?」


「はい。大丈夫です。どこかに行くんですか?」


「俺の所属しているサークルがあるので、良かったら一緒に行きますか?星奈とかおりもいますので。」


「1人で居ても寂しいので、一緒に行きます。」


「じゃ一緒に行きましょう。」


 ローズさんを連れて部室に向かう。いつも以上に注目度抜群なんだけど、俺にというよりは、ローズさんが注目されているような感じだ。確かにうつむいてはいるけれど、とっても美人だし、肌真っ白だし、女子から見たら羨望の眼差しというよりも、妬みの方が強いのかもしれないな。


「おつかれさまです。」


 結構な時間が経っていた為、3人とも集まっていた。

 

「玲奈も連れて来てくれたのね。ありがとう。」


 唯さん達は、俺が連れてくるのを想像していたのかもしれない。お茶が1つ多いからね。その近くには、何やら一冊の本が置いてある。


「この本は何?」


「占いの本。ユキ君、サークルでも出し物やろう。かおりと私が占いやるから。ユキ君と唯は補助で。」


 唐突な提案で驚いた。唯さんの方を見ると、やる気満々に見える。もしかしたら、俺の状況を想像して考えていてくれたのか?


「ユキヤ君が考えている通りかもね。他にも教えてくれた人が居たの。意外かもしれないけど、ユキヤ君のクラスの佐藤さん。クラスの出し物がユキヤ君には、厳しいものになりそうだから、サークルで何かやってほしいって。」


 葵がそんなことを。俺の彼女に対する考えも変えないといけないかもな。


「今日、クラスの催しを決めた時も、俺のことを考えて、反対してくれていたんですよ。感謝しないとですね。みんな、俺のためにありがとう。」


「ユッキー、それは違う。みんなの思い出づくりだよ!」


「かおりちゃんの言う通り、私の大切な思い出づくりに付き合ってもらいます!」

 

 唯さんの言葉に少し安心する。危なく執事になるところだったし、少しは手伝っても、ずっと執事はさすがにきつい。ローズさんのメイド服姿は見に行くけどね。落ち着き始めたところで、意を決したようにローズさんが話始めた。


「私もサークルに入れてもらえないかな。まだ、クラスに馴染んでないし、手塚君とかおりさんともっと仲良くなりたい、」


 全然問題ないと思っていた俺とは違い、3人から緊張が伝わってきた。


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