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恋愛読本。  作者: 半栖酒美斗
138/191

増員。

お越しいただきありがとうございます。

ハーフ美女。それは甘美なひびき。

ブックマーク・評価等いただけると励みになります。

お楽しみください。


主要登場人物

ユキヤ  主人公。隙があって鈍感。

かおり ユキヤの中学からの同級生。(実は小学校から。)

星奈  2年生の先輩。ユキヤの幼馴染。

唯   3年生。モデル並みの美貌の持ち主。

玲奈  1年生。ハーフ美女。留年している。

五日市先生(千春) かおりのお姉さん。


「おはよう!ユッキー!」

「ユキ君。おはよう。」

「おはようございます……。」


驚きのあまり、声が出なくなってしまった。昨日、休学から復帰した、ローズさんが目の前に、そして何故か、俺を迎えに来るメンバーに加わっていた。正直なところ、何が何だか全然わからない。星奈の同級生だったからか?にしても、聞き方に気を付けないと、傷つけてしまうかもしれないから慎重に。


「おはよう。ローズさん、元気?」


「はい……。まだ、ちょっと怖くて。」


 初春に入学してから、この手の内容は慣れていますよ。男性恐怖症ですね。分かります。俺も女性恐怖症ですから。


「俺が怖い?」


「いえ、違うんです。人が怖いんです……。」


「人が?」


「ユキ君。学校に向かいながら話そう。」


 そう言うと、4人で歩き始めた。男性恐怖症じゃなくて、人が怖いというのは何だろう。海外に行っている時に何かあったのかな?


「玲奈のお父さんの都合で、アメリカに行ったんだけど、色々と嫌がらせに遭ったの。東洋人には結構あることらしいんだけど……。向こうのハイスクールを卒業して、日本の大学に行くか、向こうの大学に行くか選ぶつもりだったんだけど、その前に限界が来てしまって、急遽、玲奈だけ日本に戻ってきたの。だから、まだ荷物すら殆ど届いていなくて。幸い、初春の籍だけ残していたのは不幸中の幸いだったのかもね。」


「そうなんだ。で、玲奈さんは近所に住んでるの?」


「今は、私の家に居るよ。」


「えっ?星奈の家に?」


「そう。荷物が届いたら、唯の家から通うよ。」


「どういうこと?」


「あっ、かおりにはさっき言ったんだけど、玲奈は、私の従妹だよ。中川・ローズ・玲奈。」


「そうなの!?中川??」


「私のお母さんの妹の娘。旦那さんはアメリカ人。」


「私も最初聞いた時、驚いちゃった。」


 かおりが驚くのも無理はない。でも大人しさは、星奈と似てると言えば似てるけど、身長は、かおりくらいで、スタイルも抜群。何より、ハーフで顔立ちが美形すぎて、ちょっとまぶしいかも。そんなことを考えて居ると、星奈が見えないように耳打ちをしてくる。


「本当の玲奈は、もっと騒がしいよ。今は、まだアメリカのことがショックで大人しいだけ。日本に帰ってきたから元に戻るとは思うけど……。ユキ君、同じクラスだからお願い。」


「うん。席も俺の後ろに座っているから気を配るよ。」


 でも、これから乗る電車は満員電車だけど、大丈夫かなと考えている間に、反対側扉の近くまで押される。星奈とかおりは慣れたもので、流れに乗っていたが、ローズさんは、そのまま押されてバランスを崩してしまった。


「大丈夫?」


「手塚さん、大丈夫です。ありがとう。」


 ケガが無くて良かったけれど、俺には大変厳しい体勢になってしまった。右腕で背中に手を回し、引き寄せてしまった為、完全に抱き合うような形になってしまった。これについては、ラッキーとしか言いようがないのだけれど、場所と一緒に居る人がアンラッキーだ……。


「ユキ君。くっ付きすぎ。玲奈も離れる。」


「ユッキー。これは何ですの?」


「不可効力です……。」


 周りの冷たい視線とやわらかい感触を堪能しながら、学校に到着した。

ローズさんと2人で教室に入ると、全員一斉にこちらを見る。いつも以上に注目されていることを物語っている。これはどういう意味で、注目されているのであろう。クラスメイトが寄ってきて俺に質問する。


「手塚くん、日本人はだめ?」


「いや、その質問の意味が良く分かりませんけど、ローズさんも日本人だよ。」


 俺、監視されてる気分です……。なんというか、注目を集めているのは良いとして、ローズさんまで巻き込んでしまうのは本意じゃないな。でも、星奈に頼まれてるし、蔑ろにできないから、悩みどころだ。

 今日は、朝から学園祭のクラス出し物を考えるから、出来るだけ目立たないようにしていよう。そう思いながら授業が始まった。

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よろしくお願いします。

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