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恋愛読本。  作者: 半栖酒美斗
133/191

手を振る相手

お越しいただきありがとうございます。

愛奈主観、そろそろ終わります。

ブックマーク・評価等いただけると励みになります。

お楽しみください。


主要登場人物

ユキヤ  主人公。隙があって鈍感。

かおり ユキヤの中学からの同級生。(実は小学校から。)

星奈  2年生の先輩。ユキヤの幼馴染。

唯   3年生。モデル並みの美貌の持ち主。

五日市先生(千春) かおりのお姉さん。


パスタを食べていると、ふと正面のユキ君が外を見ていることに気づく。どうしたのかと思ったらフォークを置いて、右手で小さく手を振った。誰か知り合いでもいるのかな?そう思い、後ろを振り向くと、大きく手を振る女性が窓の外に立っていた。満面の笑みを浮かべていたその人は、小走りにお店に入ってきた。

 テーブルに近づき、キラキラ光る笑顔のまま、こう言った。


「手塚さん!お久しぶりです!」


「美澤さん、お久しぶりです。お出かけですか?」


「はい!私、この近所に住んでいまして、本屋さんに行こうかと思って、歩いていたら手塚さんに似た人が見えたので、つい来てしまいました。お2人とも突然ごめんなさい。」


そう言ったこの女性は、私より少し年上だろうか?とっても可愛らしい人で、ユキ君とは、どんな関係なんだろう?っというかユキ君の周りってきれいだったり可愛いかったりする女性だらけなんですけど!


「いえ、大丈夫です。ちょっと驚きましたけど。」


「こちらは、美澤綾乃さん。初春の大学4年生で俺のクラスに教育実習に来て知り合ったんだ。ちなみにずっと初春だから女子高だね。」


「そうなんですね。ということは、私の高校の先輩だ。」


「手塚君と愛奈って同じ高校なの?愛奈の高校って女子高じゃ?」


美羽が不思議そうに質問する。言い忘れてた。


「今年から共学になったの。でも男子はユキ君だけ」


「すごい!私、異性に囲まれたら失神する……。」


「手塚さん、私もご一緒していいですか?なんだか、私の話をしているみたいで他人事に思えなくて……。」


美澤さんがそう言うと、ユキ君は席を詰めた。


「実は私も手塚さんに会う前は、男性と全く話せなくて。五日市先生にお願いして、手塚さんとお友達に手伝ってもらったんです。」


「そうだったんですか。ユキ君すごいね。」


「愛奈ちゃん、その友達に星奈も含まれる。そして五日市先生はかおりのお姉さんであり、唯さんと星奈が勉強以外を教えてもらっている先生です。」


勉強以外?もしかして、服の着こなしとか教えてもらってるのは、かおりちゃんのお姉さんなのね。五日市先生か……。居たような……、居なかったような。


「そうなんだ……。うらやましい。」


つい言葉で出てしまった。


「ところで、美澤さん、男性と話できるようになりました?」


ユキ君が唐突に美澤さんに質問する。何か約束でもしてたのかしら?


「はい!あれからアルバイトを始めたんです。そこの同世代の男性と少しづつですけど、お話できるようになってきました。毎日楽しいです!」


「良かったですね!で、その美澤さんにお願いなんですけど、目の前に居る2人がまるで美澤さんのように、男子とお話出来ないんです。何かアドバイスがあったらお願いします。」


「ぜひお願いします!」


美羽が積極的だ。やっぱり年頃だもんね。男友達だってほしいよね。はい、ほしいです。


「えっと、気になる男子を作ることです!」


そう言った美澤さんはユキ君の方を見た。まさか。


「振られてしまいましたけど、私、諦めてません。また告白するまでにもっと自己研鑽します!」


「美澤さん、色々と説明しにくいのでその辺にしておいて……。」


「ホントにユキ君モテるわね。」


「いやいやいや、前から言ってるんですけど、恋に恋してるかもしれないので、そう言う想いは慎重にです!慎重に!」


「恋に恋?そうか……。私は今、その状態なのかもしれない。だから、男友達がほしかったり、彼氏がほしかったりするのかも。本当に好きな人が出来れば良いんだ……。」


何かを悟ったように美羽がつぶやく。もしかしたら、私もそうなのかもしれない。好きな人が出来れば、少しづつでも変われるのかも……。


「愛奈ちゃんどうしたの?俺、なんかついてる?」


「えっ?いえ何も。」


無意識にユキ君を見つめてしまった。どうしたんだろう……。


「私、温かい飲み物持ってくる。」


そう言って、少し離れて、この火照って、ドキドキする鼓動をどう収めれば良いのか、エアコンの風が当たるところで落ち着くことにする……。

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