食事
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愛奈主観です。コーラにはレモンです。
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主要登場人物
ユキヤ 主人公。隙があって鈍感。
かおり ユキヤの中学からの同級生。(実は小学校から。)
星奈 2年生の先輩。ユキヤの幼馴染。
唯 3年生。モデル並みの美貌の持ち主。
五日市先生(千春) かおりのお姉さん。
「ねぇ愛奈ちゃん、予定変更していい?」
やっぱりユキ君は、何か考えてくれているようだ。洋食屋さんはいつでも行けるし、私も興味があるな。
「うん。お願い。」
「じゃ、ファミレスに行きます。やっぱり学生で友達とおしゃべりするのはファミレスだよね!ドリンクバーも有るし、長居してもそんなに目立たないもんね。」
「私、ファミレスでおしゃべりとかするの初めてかも。」
「えっ。美羽さん高校生でもしなかった?」
「はい。私、学校が終わると直ぐに帰宅してしまったので。」
「ごめんユキ君。私も、初めて……。」
「りょ、了解しました。じゃ折角だから色々お話ししようね。」
駅から少しだけ歩いて、大きめのファミレスまで足を延ばす。駅前だと人が多くて正直落ち着かないと思うから、ユキ君の配慮に感謝しないと。
案内された席は一番端の席で、丁度目立たない場所だった。これなら落ち着いて話せそう。
「俺は、パスタにしようかな?2人は何にするの?」
「私もパスタにしようかな。」
「パスタ平気なの?」
不思議そうな顔でユキ君が聞いて来た。
「どうして?」
「バイトの先輩に女子とデートするのにパスタは、口紅が気になるから避けた方が無難って言われたんだ。」
その人すごい。確かに、女子同士ならあまり気にならないけど、男子と一緒だと思うと簡単には直せないし、お手洗いで直すのもなんだか気が引けるものね。
「そう言われるとそんな気がする。でも、それは初めてのデートとな気もするね。慣れちゃうと気にしないかも。」
「なるほど。そう言われるとそうだね!そこまで気を遣われると、なんだか仲良くなるのに時間がかかる気もする。」
「私もパスタにする。食べ方を工夫してみる。」
美羽は前向きだ。私も負けずに食べたいパスタにした。結局、全員パスタにドリンクに落ち着いた。
「ドリンクバー取りに行くけど。」
そう言って立ち上がろうとしたらユキ君がすかさず、
「みんなで行きましょう。ほら、どんな種類があるか見れるしね。楽しいじゃん。」
3人でドリンクバーの前でああだ、こうだ話をしながら、飲み物を決める。いつもは、誰かが取りに行ってくれたりしてたけど、こうやってワイワイしながら選ぶのも楽しい。
ユキ君は、コーラを入れてから、少しだけレモンの炭酸ドリンクを入れていた。ちょっと聞いてみよう。
「ユキ君。今のって何?」
「コーラにレモンを入れると、酸味が加わっておいしいでしょ?それと同じような感じになるの。結構おいしいよ。」
「そうなんだ。」
結局1杯目は、全員、ユキ君スペシャルになった。そして、席に着いて一口。
「あっホントだ。すっきりして美味しい。」
美羽が直ぐに反応した。確かにすっきりしてておいしい。
「はじめて知った。今度、家でもレモン果汁入れてみよう。」
ユキ君が、一息ついてから口を開く。
「美羽さんは、男の人と話すのどれくらいぶり?」
「しっかり話したのは小学生ぶりくらいです。」
「そうなんだ。あと、俺には敬語を使わないで。折角の機会だし、色々と話しましょう。」
「そうですね…だね。男の子ってなんだか怖くて。」
「どんなところが?」
「なんだか乱暴そうで……。イメージだけなんだけど、ケンカしているのを見たりすると、とっても怖い。」
「確かに怖い人も多いよね。でも、大体の人は普通に会話できる人だから、気にしすぎなのかもね。」
ユキ君は、やさしい口調で話してくれるから聞き手としては安心できる。ユキ君も怒ったりするのかな?
「手塚君も怒ったりするの?」
「もちろん俺も怒りますよ。前に星奈の前で違う人に対する怒りの態度をしてしまって、とても怖がられたよ。でも、いつもはこんなだから、やっぱり状況によるんじゃないかな。ちなみに星奈は愛奈ちゃんの妹だよ。」
お話ししている最中に、オーダーしたパスタが来た。さっき、ユキ君が言っていたように食べ方に気を付けてみよう。
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